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ハレルヤという存在を知る人はもう僕しかいない。みんな、みんな忘れてしまった。ハレルヤの存在を知る人はもともと少なかったが、それがいなくなった今は0となった。僕だけが知っているハレルヤ。僕にしか存在を証明することができないハレルヤ。それは一体どんな気分だい?悲しい?さみしい?辛い?それでも君は生きたい、と思うのかい?

君がどんな性格で何が嫌いで何が好きか。どんな人が好きでどんな人が嫌いか。好きな食べ物、嫌いな食べ物。性癖、習慣、感情。なにもかも君を知る人はいなくて、君を存在したことを証明できる人はいない。


同胞を殺してまで生きた結果、君は何を得た?誰にも存在を知られないことに意味はあるのかい?それは本当に生きているのかい?君はあの時すでに死んでいたんじゃないのかい?


君はなんのために生きているの?地球を守るため?戦争根絶のため?それとも戦争がしたいから?僕が生きているから?僕を守りたいから?僕が好きだから?

君の存在意義はどこにあるの?


花も太陽も地球も宇宙も星ですら知らない、僕だけのハレルヤ

だから僕は引き金を引いた。
誰にも知られることもない。誰にも奪われることもない。

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