「どうしよー…」
「そんなに悩むことか?」
「当たり前じゃん!」
私は間近に迫ったとある日について非常に悩んでいる。
浜ちゃんをその相談相手にしたんだけど、話が進む兆しが全くない。
「じゃあ…プレゼントはお菓子?マフラー?それとも…わ、た、し?って言えばいたっ!痛い痛い!」
あまりにもアホなことを言い出した浜ちゃんを殴った。
いや普通だよね?こんなふざけたこと言われたら誰だって殴るよね!
「私は真剣なの!」
「お前…本当にあいつ好きなんだなぁ」
「…!好き、だよ。泉かっこいいもん。」
というか、今泉が好きとか関係ないし!プレゼント!プレゼントだよ!
「で、どうしよっか!」
「つうかさーお前いつまで泉のこと「おい浜田!!」
ちょ、今せっかく作戦会議してたのに!邪魔するやつは何奴ぞ!というか今の声、ずいぶん泉みたいだったけど。
そう思った次の瞬間には、私は浜ちゃんから引き離されていた。
「こいつと何話してたの」
「いや、まぁー…うん、色々ね?」
「言えないことな訳?」
あれあれあれ。
なんでこんなに修羅場ってるの?というか泉どっから出てきた?
私がごちゃごちゃ考えていると、また泉に手を引っ張られて教室から連れ出された。
あ、まだ浜ちゃんにお礼言ってない!
そう気付いた時には浜ちゃんに声をかけるには遠い距離になっていた。
「い、泉?」
浜ちゃんが見えなくなった辺りで泉が足をとめたから、おそるおそる声をかけてみた。
「なに」
やはり声色は少し怒気を含んでいるようだった。
「誕生日の話だよ?やましいことは何もないよ。」
「は?誕生日?」
「うん、泉の」
本当は最後まで隠しておきたかったけど、それで泉と喧嘩するなら言った方がいい。
臨機応変な考え方が大切だよね。
「あー…忘れてた」
「だろうと思った!で、プレゼント何がいい?」
前進
(なんでもいいの?)
(出来る範囲ならなんでも!)
(…これからは泉じゃなくて孝介がいい)
(え?)
(あー!なんでもな(孝介)
(…!サンキュ。)