あとがき


 半日経ってもまだ実感がありません。

 なにはともあれ、「みんな主人公!」本編完結しました。
 ここまで読んでくださった、あなたのおかげに他なりません。
 ほんとうにありがとうございます!


 「みんな主人公!」は、携帯BL創作の中でアンチ王道が極端に増えた時期(ちなみにわたしは王道もアンチ王道も大好きです*)、じゃあわたしはちょっと違う視点から、王道学園におけるそれぞれの想いを描きたいなと想って生まれたお話です。

 陽大が笑っている。
 皆笑っている。
 仲よくごはんを食べている。

 ひとつの場面、陽大という主人公が感じることを描くだけでなく、同じ時間、同じできごとを共有している時、その周りの人々はほんとうは何を想っているのか知りたいと想いました。

 わたしたちの日常と同じ、主観は「わたし」ただひとりで日々は流れていくけれど。
 周りにいる人々にもそれぞれの主観があり、それぞれの物語があります。

 誰もがいろんなことを抱えていて、過去や未来があって、今を生きているという自然なこと、ごく当たり前で見過ごしがちなことを描いてみたかったんです。

 すごく楽しそうに見える、だけど心は泣いている。
 つまらなさそうにしている、だけどほんとうは幸せを感じている。
 誰が何を想っているのか、知っているのは本人だけ、その本人にも自覚がない時もある。

 人の多様な感情に触れること、我が子たちといえ、「なぜその道を選ぶの?」「どうして今、自分の気持ちを言わなかったの」と、もどかしく辛い時もありましたが。
 なにより彼らと過ごした時間は、楽しくて幸せなひとときでした。

 何が正義なのか。
 その人にとっての正義や常識が、誰かにとっては悪で非常識であったりする。
 未熟なわたしには善悪を語ることはできません。
 ただただ、彼らの想いをひたすらそのままに、先を歩いて行く背中を必死に追いかける日々でした。
 

 そして、唯一、わたしが自分に課していた約束ごと、彼の視点だけは明かさずに描き切ること!
 難関でしたが、どうにかフィナーレを迎え、安堵しています。
 陽大と並んで出番が多く、陽大のお相手役だった皆のお父さん、昴。
 昴視点でお話を進めると、楽だったんですね、実は。

 だけど、どうしても昴の視点が必要な場面でも、3人称で外から俯瞰しているところを目指しました。
 昴は登場する彼らの中で、大人も敵わない確個たる人物でした。
 欠点がないわけではなく、昴にもいろいろあるのですが。
 
 昴の主観で、例えば「俺様何様柾昴様の完全無敵で素敵な日々☆」なんてタイトルでお話を重ねれば、「みんな主人公!」は何の心配もなくサラサラと終わってしまっただろうなぁ。

 それだけ昴は自分の足でしっかり立っていて、愛して信じているものがあるから強くて、まだ子供の自覚があって揺らぎはするけど、立ち直りが早い。
 それと唯一、嘘を吐かない子でした。
 口にする言葉はすべて本音、ほんとうのことだけ。

 会長として与えられた役は演じるものの、嘘を吐かない。
 社交辞令や場を収めるための口約束、気休めすら言わない。
 そんな強い人の主観を語れば、あおはすごくラク。
 昴が居ればなんとかしてくれるって、依存するところだったので、わたしが頼ってはダメだと。
 …わたし、子供みたいですね…子供たちと変わらず…。

 いやはや、昴の主観を語らないことで、やたら出番多いけど何なのって反感持たれたり、嫌われるんじゃないかとの心配もありましたが!
 皆さまにもお父さんとして認めていただけて、ほんとうに嬉しい限りです*
 お父さんの主観はまた、番外編のひとつという形で、お披露目できたら幸いです。
 本性暴露!笑
 
 
 いろんな視点を描きたい!王道学園描きたい!と始まった、「みんな主人公!」。
 かねてからちょこっとお話していた通り、「海の音」の昇と佐樹に関わりがあります。
 PCなんてなくノートに手書きしていた、あおの子供時代から、延々と心に秘めてきたお話の一端が「海の音」で、更に派生したのが「みんな主人公!」。

 「みんな主人公!」のおかげで、更に彼らも生き生きと、息吹を吹き返してくれそうです。

 彼らの物語は、まだまだ続いていく!
 陽大に出逢えて、子供たちに出逢えて、彼らのお話を通してあなたと出逢えた、わたしはとっても幸せです*
 ありがとうございます!!

 引き続き、これから数多生まれる番外編、スピンオフ、お楽しみいただけたら幸いです。
 あなたが今日も笑顔でありますように***



 2014.11.9(sun)15:16筆

 …先ずははるとがお嫁に行く番外編から始めます…しくしく(;ω;)


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