101.チャラチャラツイート(14)by 天谷悠
ちょっとぉ〜何がどうなってんのぉ〜?!
マジ意味不なんですけどぉ〜!
いつまでもザワザワしてる校内を、とりま生徒会室にりっちゃん達と向かいながら、こんなワケわかんないの初めてだって。
イラつくわ、落ち着かないわで、何で俺がこんな想い味わわなきゃなんないの?!
ゆーみーはメソメソしながら付いて来てる。
だけど、はるちゃんは居ない。
いつの間にか居なかった。
聞きたい事、いっぱいあるのに。
どうして?どうして?っていう疑問だらけで、同時に軽くパニくってる頭ん中、こーちゃんとの想い出が駆け巡ってるのに、更にパニくる。
これって、走馬灯ってヤツ?
何か違ったっけ。
でも何で今なの。
こーちゃんの卒業ん時に初めて駆け巡るもんじゃねーの。
何なの。
マジどーなってんの、こーちゃんにこそ聞きたい事がいっぱいあるのに。
頭下げてたこーちゃん、理事長に連行されてったこーちゃんの背中と、中等部の頃のこーちゃんの背中が重なる。
もうちょっと今より細めだったけど、あの頃からずっと強かった。
親の強いゴリ押しで中等部から入学して、とーぜん途中からだから浮いてた俺を庇ってくれたんだっけ。
そんで生徒会に誘ってくれたんだ。
俺は言ったのに、ちゃんと。
そーいうマジメな活動とかキライだって、サボるからねって。
いーよって笑った。
それでいーから、好きにしてていーからってこーちゃんは笑った。
『だって悠はやればできる奴じゃん』
信じてるって正面から言ってくれた、そんなの未だにこーちゃんしか居ない。
『いつでも助けてやるから』
そう言われるまま、俺はこーちゃんの背中ばっかり見てきた。
どう頑張ったところで隣に並べないのなんか明快で、頑張るなんてガラでもないし、早々に諦めて甘えまくって、生徒会っていう実質こーちゃんの威を借りて好き勝手してきた。
はるちゃんのこと、大好きな幼馴染みが居るんだよーってすっかり心許して話したこともあったよね。
もし会うことがあったら取らないでねって言ったら、『知るか。人を取るとか取らないとか無えだろ』って笑ってたクセに。
いつの間に何がどぉなってんの。
号外が真実とか、ワケわかんないんですけど。
はるちゃんだって何も言ってこなかったじゃん。
そんな素振りなかったし、そもそもあのはるちゃんが因りに因ってこーちゃんとなんて、天地ひっくり返りまくりじゃん。
俺が気づかなかっただけなの。
俺がバカだったっつー事?
あの2人に影ではバカにされてたの?
そこまで考えて、はるちゃんのホワホワした笑顔と、こーちゃんの頼りになる笑顔が想い浮かんだ。
はるちゃんはそんな子じゃない、そんな事できる子じゃないって、俺は知ってる。
こーちゃんだって、俺様で策士で悪どいし強いけど。
だけど中等部の頃、暴風雨で山が荒れた時とか何か心細い夜、しょっちゅう皆でこーちゃんの部屋に集って、『だいじょーぶだいじょーぶ』って豪快に笑ってくれたから、安心できた。
『悠は大丈夫』
こーちゃんがそう言ってくれたら、何でもできる様な気がして、けどモヤモヤして反抗したくもなった。
良い所も悪い所も見て欲しかった、それでも離れないっていう保証が欲しかったんだ。
嘘でしょ。
今日で辞めるとか。
俺が残ってんのに、何でこーちゃんが辞めるの。
あーもぉ、ごっちゃごちゃしてワケわかんないっつーのぉ!
こんなごっちゃごちゃで、はるちゃん絡んでて、何をどうしてどう考えたら良いのか、誰を頼ったら良いのか、いきなり手ぇ離されても知らないしぃ!
大体この後、俺らはどうしたらいいワケ。
生徒会行って仕事したらいーの?
どうしたら全部丸く収まんのか、それを俺が考えなきゃいけないのか、面倒極まりないんですけどぉ!
「あのっ、生徒会の皆様っ…」
急にタラタラ歩いてた俺らの目の前を遮る様に、ちょっとカワイイどっかの親衛隊らしきコが立ち塞がった。
ツレの友達らしきコが必死に止める中、キラキラと涙でいっぱいに潤んだ瞳が瞬く。
「柾様…お辞めになったりしないですよね…?こんなの嘘ですよねっ?」
今にも泣きそぉなのに、俺らにビビって震えてんのに、一生懸命に堪えてる。
ネクタイが俺と同じ1年のコだ。
こんな顔見せられて、無下にするなんて男じゃない。
「もっちろん!こーちゃ…あーっと、かいちょーが簡単に辞めるワケないしぃ〜んなの俺らが許さないしぃ〜ダイジョーブダイジョーブ!何とかするからねぇ〜」
その途端、そのコの顔がぱあっと明るくなった。
ありがとうございますって、ぴょこんとお辞儀して去って行く。
ひらひら手ぇ振って見送りながら、この瞬間、ピタっとパズルがハマるみたいにわかった。
「おい、悠…簡単に言うな」
りっちゃんに腕を引かれたけど。
「りっちゃん、わかってるよぉ〜簡単じゃないけどぉ〜どぉにかすんのが俺らの今の仕事でしょぉ〜」
そぉだよ、話はこれからだ。
俺ら生徒会が迷ってボンヤリして、途方に暮れてる場合じゃない。
いつもこーちゃんが引っ張ってくれた。
俺らはそれに甘えて寄りかかってれば、全部上手く行ってて、それに満足しながら文句ばっか言ってたけど。
聞きたい事も話したい事も、いっぱいあんの。
だから、俺を信じてくれたこーちゃんを、今度は逆に俺が引っ張る。
話は全部それからだ。
2014.9.18(thu)8:35筆[ 718/761 ][*prev] [next#]
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