64.チャラチャラツイート(12)by 天谷悠


 あ〜あ、まぁた朝がきちゃったよぉ。
 ベッドの中で伸びてたら、最近お気にのコ、先に起きてたみたい。
 「悠様ぁ、お目覚めですかぁ〜」
 「うーん…ふわぁ〜あああ」
 「クスっ、まだおネムさんですね〜?悠様、カワイイっ」
 ぽすっと軽い体重に抱きつかれて、ちょっとイイ気分になった。

 身体を反転させて、華奢な身体に乗り上げる。
 ウンウン、やっぱり俺はこうじゃなきゃあね!
 押し倒す征服欲、たまんねぇ。
 「俺のコト、可愛いとかぁ〜昨夜は散々、素敵だのカッコ良いだの言ってたのに…?」
 「やン、悠様…また…?」
 「どっちが可愛いか、ちゃんと確かめないとねぇ〜?」
 「きゃ!悠様ったらぁ〜朝から野獣さんなんだからぁ!」

 笑いながら絡み合う、今日はもうこのままサボっちゃおっかな〜。
 いーかげん、真面目クンすんのダルいし。
 日増しに鬼忙しくなってきてるしねぇ〜マジ面倒。
 素直で優しくて甘えん坊で、エッチの具合もバッチリなこのカワいーコと、1日中ベッドで過ごすのも悪くない。
 寧ろイイ。
 気持ちはかなりサボる方向で完結しそうになった。

 けど、はるちゃんのお怒り顔がふと目に浮かんだ。
 怒られんのもキライじゃないけどぉ。
 『ひーちゃん、偉いね。こんなに生徒会頑張ってたんだね…すごいよ!尊敬する』
 はるちゃんが生徒会入りして間もない頃、言われたこと。
 あのキラっキラの笑顔で誉められる方が、気分良い。
 んー、朝は無理として、昼出勤ぐらいにしよっかなぁ〜。
 
 ちゅーの合間に考えてた、甘えて首元にすり寄ってきたカワイコちゃんが、「あ!いけない!」と声を上げた。
 「ごめんなさい、悠様ぁ〜僕、大変なこと忘れてましたぁ〜」
 「えぇ〜?どうしたのぉ〜」
 ここまで盛り上がっといて、お預けは許さないからね。
 そりゃ俺ははるちゃんの事、考えてたけどさぁ。

 カワイコちゃんは、あわあわと頬を赤らめながら、「悠様が朝からカッコ良いから…夢中になって忘れちゃってましたっ。本当にごめんなさい…」だって。
 しゅんと眉尻を下げてる、このコ、マジ可愛いーわぁ。
 役立たずの幹部から上は捨てて、次の隊長に推してもいーぐらい。
 「いーよぉ、ナニぃ〜?言ってごらぁん〜」
 広い心で促したら、おっきな目をクリクリ瞬かせながら、「大変なんですぅ!」って。

 「悠様がお寝坊さんな間に、柾会長様の隊から号外が出たみたいなんです〜!」

 笑いが止まんないって、この事だねぇ〜!
 詳しく話を聞いてから、それは大変!俺もとりあえず生徒会に行かなきゃ!って、わざと焦ったフリをして、残念ながら朝エッチはまた今度〜。
 2人でシャワー浴びて着替えて、甲斐甲斐しいカワイコちゃんが、ぱぱぱーっと作ってくれた朝食を味わって、揃って外に出た。
 マジで隊長に昇格させよぉかなぁ〜?

 肩を抱いて、じゃれ合って歩きながら。
 「悠様ったらぁ〜さっきからゴキゲンさんですねぇ〜クスクスっ、やだぁ〜くすぐったいですぅ〜」
 「えぇ〜?」
 笑いが止まんない。
 何つーの、俺の時代がやっと戻って来たっつーの?
 まさかこーちゃんの隊から、はるちゃんを貶める号外が出るなんて、ね。

 超〜愉快なんですけどぉ〜!
 俺から動かなくても、はるちゃんが孤立化するなんてねぇ〜!
 しかも「今回は」秀平達も居ない、俺が仕掛けず第3者の立場とか。
 面白すぎんでしょ。
 待っててねぇ〜はるちゃん。
 傷ついて、ボロボロになって、独りになった時、俺が助けてあげるからねぇ〜?

 ふふ、「今回は」どれぐらい保つかなぁ〜?
 偶然にしてもミラクル、やっぱり世界は俺のモノ、はるちゃんは俺のモノ。
 「やぁん…悠様、歩けなくなりますからぁ〜…」
 「なぁにぃ〜?何もしてないじゃぁん〜」
 頭の中は涙いっぱい目に溜めたはるちゃん、行動はカワイコちゃんに集中してて。
 俺は気づかなかった。
 
 いつからそこにヤツが居たのか。
 「Good Morning!天谷クン、ゴキゲン麗しいようでナニよりでース!しかしながらもう昼ですゾ、Lunchタイム、もうすぐ。OK?」
 「きゃっ!ビ、ビックリしたぁ〜。たろーちゃん!どうされたんですかぁ〜?」
 隣のカワイコちゃんは、気さくに話しかけてる。
 ヤツがそういうキャラだから、誰とでも気軽に声を掛け合う性質だから、表向きは。
 俺は一瞬で笑えなくなった。

 「お邪魔するつもりNothing!Oh、タローちゃん、空気読める。Reading Airネ、ダイジョーブダイジョーブ。ただチョッピリ、One more little、天谷クンに一言物申すでゴザル!Understand?」
 スタスタと、笑みを絶やさないまま歩み寄って来て。
 通りすがりに、にっこり。
 「これから余計な真似したら、タローちゃん、許さない。以前言った事、覚えてるね?ヤラれたくないなら大人しくしてろ。2度はない」

 そのまま涼しい顔で立ち去る、ひょろりとした後ろ姿と俺を、オロオロと見比べた可愛いコは、気が利くだけあって何も言わなかった。



 2014.5.4(sun)23:32筆


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