45.チャラチャラツイート(11)by 天谷悠
あ〜もぉ、毎日サイアク。
面倒くさーい。
ダルーい。
何もヤル気しなぁーい。
テキトーに授業サボってその辺でダラダラしてたら、やっと放課後になった。
1日1日が長いっつーのぉ。
まさかクソ面倒な生徒会が、唯一の癒しタイムになるなんてね〜マジウケる。
はるちゃんが居なかったら、とっくに全部放り投げてるわ〜。
はー、ダルいダルい。
ノロノロと生徒会室に向かう途中、
「きゃ!天谷様〜」
「何だかアンニュイで素敵!」
ってアリガタイお声に、表向きヘラヘラ手ぇ振りつつ、それにしてもさぁ。
「天谷だ。おーおー、隙だらけじゃね」
「1回ヤってみてぇよなー散々遊び回ってる成果、見せて欲しいもんだぜ」
「今なら押し倒せんじゃねーの。派手に遊んでるだけで腕っぷし弱そうだし」
ギャハハとか不穏な笑い声も聞こえて、表向き何も聞こえてませーんダルいよ〜って装ったまま足を速めつつ、ポッケのケータイに指を触れた。
口先だけで実際には手出ししてこねーだろーけど。
生徒会役員の肩書きと、親の威光と、こーちゃんののおかげなんてね。
クソくだらねぇ、つまんねぇ。
けどそのつまんねぇ幾つかのネームバリューで、俺の安全は今のトコロ保たれてるなんてねぇ。
これもそれもアイツの所為だ。
あの体育祭の日、特に警戒もしてなかった、ただ派手で目立つだけのアイツ(名前出すのもイヤー)に絡まれてから、ろくでもない。
何かチョーシ狂ってる。
俺のカワイコちゃん達(親衛隊)は、隊長副隊長含めてまだ機能してるけど、近くに寄ってくんのは下のコばっかりになった。
幹部から上のコ達の姿はあんまり見かけない、機能してるからには纏めてるコ達が居るんだろーし、何かおかしな展開になってんなら俺の耳に入る筈だもんねぇ。
アイツに絡まれてからなーんか、遊ぶのも面倒になって、ヤバ〜俺もうエッチし過ぎて涸れちったのかななんて想ってたら。
何でかウシロ狙われるようになった。
オラオラ系から好かれても嬉しくないっつぅの〜俺は挿れる側だっての。
マジ萎えるわ〜余計に涸れるわ。
アイツが裏で手ぇ回してんのかな。
流石にキモチ悪くて、こーちゃんにこそっと相談して、「何かあってからじゃ遅い」っつって誰にも知られないように守ってもらってる始末。
はるちゃん居なかったら、こんなクソみてーなガッコ、とっくに辞めてるけど。
想い通りになんねーつまんない毎日なんか、俺は要らない。
こっちからゴメンだね。
イライラしてムカつくけど、何かソワソワして落ち着かない。
はるちゃんが生徒会に居て、ほわほわしてなかったら、ブチギレてるわ〜。
はあーあ、今日のオヤツは何かな〜。
ちょうど玄関で会ったそーすけと合流して、さっきよりアガった気分で扉を開いたら。
「ちょっと、ナニしてんのぉ〜!」
こーちゃんとはるちゃんが、抱き合ってた。
こーちゃんのデスクの前で、2人っきりで、見つめ合って抱き合ってた。
つってもハグの域だけど、けどさぁ、ナイでしょ〜?!
俺の声でやっと我に返ったのか、はるちゃんから勢いよく離れたけど。
「おー、そーすけ、ひさし、今日も早いじゃん。陽大が転んだから支えてただけだ。お前らも床、ワックス掛かってっから気をつけろよ。莉人は見なかったか」
「…見てないしぃ〜」
「…てない。はると、こっち。来て。」
「は、はい!無門さん、どうなさいました?」
こーちゃんは一見、何でもないって顔してる。
昔から照れ屋のはるちゃんは、予想通りまっ赤で、まだ動揺してる。
俺の横をすり抜け、そーすけの側に行って話を聞いてるはるちゃん。
耳まで赤いけど、もうそーすけに集中してる。
「莉人が最後か…じゃ、この案件、押しつけよっと」
続いてこーちゃんに視線を向けたら、ドサドサっとりっちゃんのデスクに書類の束を置いていた。
その奥、キッチンからゆーみーが顔を出して「「ひさしとそーすけもジュース要る?」」って、何だ2人共居たんじゃん。
ほっとしてハイハイって頷いたのも束の間、自分のデスクに戻ろうとしているこーちゃんから、目が離せなくなった。
微笑ってる?
何で。
一瞬だった。
一瞬でこーちゃんはいつも通りの俺様顔になったけど、絶対見間違いなんかじゃない。
すごいビミョーな不思議な表情で、何か目元が赤らんでて、口角上がってた。
今はしかめっ面で学園祭の資料読んでるけど、眼鏡まで出して仕事モードだけど。
微笑った、どうして。
どのポイントで?
「悠?ナニ突っ立ってんだよ。お前、今日こそ祭予算の最終稿、出せよー」
「…わかってるしぃ〜」
ぎりと手の平に爪を立てた。
何でこの俺がこんなにも、いろんなコトでモヤモヤしなくちゃなんねぇの。
2014.4.5(sat)23:47筆[ 578/761 ][*prev] [next#]
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