37.一方、その頃(つか現在まだ21時)


 「「りっちゃん、来なかったじゃん」」
 「来なかったじゃん」
 「来なかったじゃ〜ん」
 「……じゃん。」
 「うるっせぇなぁ…ドッッペルゲンガーか。ハモんじゃねぇ…お前等も面白がって便乗してんじゃねぇ、クソ鬱陶しい」
 「「「仮面、仮面」」」
 「……お面。」 

 「うるせぇつってんだろうが。この時間までこの辺うろつく根性あるお坊ちゃんなんて居ねぇ、俺達しか―……君達、食堂の利用時間は当に過ぎているよ。早く部屋に戻りなさい」
 「はぁい、副会長さま〜」
 「副会長様、おやすみなさい」
 「あぁ、おやすみ。良い夢を」
 「はい…!」
 「きゃ〜副会長様に『おやすみ』って言われちゃったね〜!!」
 
 「「「………詐欺」」」」
 「……サギ。」
 「っるっせぇんだよ…お前ら、柱の陰なんぞに隠れてんじゃねぇ…気色悪ぃ、ピッタリ寄り添いやがって…っち、小面倒事は全部俺に押し付けて良いご身分だな…?ん?」
 「「「だって、りっちゃんが玩具見つけたって言うから、わざわざ食堂に張り込んで待ってたのに、来なかったんじゃん」」」
 「……じゃん。」

 「…りっちゃん、言うな…」
 「「「こっわ!般若みてぇ」」」
 「……こわっ。」 
 「ふん……しかし、予想外だったな…ま、玩具の同室者が直前で美山に変わったという事は、今頃ヤツにいろんな意味で喰われてる所か。可哀想に…折角、生徒会の玩具として可愛がってやろうと思っていたのに…」

 「俺は他人の手垢がついた玩具なんか要らねえ」
 「右に同じく〜」
 「左に同じく〜」
 「いちじく〜」
 「……ドーナツ。食べたい。」

 「残念だ。中々遊び甲斐のある玩具だと思ったが…同室が美山となると、ヤツの入るクラスは厄介者揃いのA組だ。我々の玩具たる条件が完全に外れるな」

 「ねぇ〜賭けようよぉ〜りっちゃん眼鏡に適った元・玩具候補君が、いつ学校辞めちゃうかぁ〜」
 「「ノッた〜!」」
 「好きだなーお前ら」
 「……ドーナツ。」
 「夜に甘い物を食うな。明日にしろ。…では、全員、賭け金を」
 

 「「「「一週間以内で辞めるに十万」」」」
 「……一週間。」


 「……賭けになんねぇ……やれやれ…新学期もつまんねぇなぁ?」



 2010-05-08 22:12筆


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