162.祭りだワッショ〜イ!
よぅし…準備はいいですね?!
髪に寝癖なし、顔の洗い残しなし、バンダナの結び方OK!
洗いたてのジャージとTシャツ、ゼッケンの取り付けOK!
洗いたての履き慣れた運動靴、靴ひもの結び方OK!
ハンカチ、ちり紙、オロナイン、バンドエイド、その他諸々OK!
朝ごはんは腹8分目のほっこり和定食で済ませ、お弁当の準備もOK!
一成も無理矢理起こしたし、仁もOK!
よっイケメンお2人さん!
お天気良好!
体調良好!
そして、俺には栗の神さまがついてくださっている。
マロンさまは今朝も天使OK!!
『件名:おはよ
陽大様へ今日のわんこ。
Aチームなマロン様。
(なんかウチの家族がマロン用にバンダナ作ってくれた)
晴れて良かったな。
また後で。
昴』
はわーマロンさまったら、Aチームに降臨した勝利の天使さまだったのですね!
心なしか笑っておられるお顔、ご機嫌さんなご様子がお写真からありありと見てとれます。
Aチームの優勝、間違いなし!!
マロンさまに優勝を、男・陽大、見事に捧げてみせましょうぞ。
今日のわんこメールが届いてから、もう何度拝見したかわからない、携帯を眺めてニマニマしていたら、後ろでまだごはん中の一成が呟いた。
「晴れて良かったね〜100パー雨予報だったのに〜流石はるる〜」
「超!晴れ男、健在だな〜よしよし」
「へへー俺だけじゃないけれども、お山の天気は変わりやすいし…だけど今日開催されそうで嬉しいよー!すべて皆さまのご協力のお蔭です。どうもありがとう」
「いいえ〜どういたしまして〜はるる様のご指導の賜物ですよ〜」
「俺ら的にも延期はごめんだからな〜今日キレーに終わって欲しいぜ」
3人で見つめた窓辺には、ずらあっと、それはもうずらあっと、てるてる坊主さんたちが晴れパワーを発揮していらっしゃる。
皆で力を合わせれば、願いは届くんだねぇ。
チームは違うけれど、仁と一成を筆頭に武士道の皆、アイドルさまの皆さま、風紀委員会の皆さま、Aチームの皆さまや先生方、所古先輩と十左近先輩…
たくさんの方々にお力添えいただき、コツコツ作ったてるてるさんたち。
なんだか作った方々それぞれのお顔に、ほんのり似ている、いろいろな形や色のてるてるさんたちは、今日もお可愛らしく窓辺で揺れている。
週間予報で天気を知って、慌てて作って飾ったのは、もう6日前の話なんだねぇ。
時は金なり、早いねぇ。
「やっとアレもお役御免だね〜…もう外して良いよね〜」
「とんでもない!一成さん、いつ天気が崩れるかわからないのですよ。今日1日ずっとお飾りしなくちゃ」
「え………」
何故か仁が一瞬爆笑し、俺の肩に腕を乗せた。
「だよなぁ〜そりゃそうだよな!いつ天気崩れるかわかんねーもんな〜山だし?」
「ねー山だもの」
「ねー山だから」
何故か一成はお箸を止めたまま、真顔になっている。
「一成さん…?お口に合わなかった?もうあまり時間ないし…残していいからね」
心配になって声をかけたら、一成はいつも通りほわほわと笑ってくれた。
「…とんでもな〜い!はるるの料理が俺の口に合わないワケないじゃーん。今日も超美味いし〜もう食べ終わるから〜ちょっと待ってね〜」
「あっれ〜あれあれ〜!一成さん食欲ねーの〜?俺が手伝ってやろうか?」
「…黙ってろカス」
「ひどっ!はると!一成が、一成が、俺…まだ目ぇ覚めてねーのかと想って、毎日練習キツかったし…手伝ってやろうと想っただけなのに〜」
「はいはい、2人共ケンカしないの!今からそんなんでどうするの。後1時間後の為に今から仲良くしないと…優勝はAチームのものだぜ!仲良くしたって優勝はAチームなんだぜ!」
「はるる様〜男前〜」
「はると様〜俺様〜」
「はっはっは!陽大の練習の成果、とくとご覧あれ!俺は誰にも負けないぜ」
「「………なんかキャラが…アイツに似てる…?」」
「2人共、コソコソ何言ってんだぜ!早くしないと置いて行くぜ?」
「わ〜お待ちになって〜はるる様!ごちそうさまでした。美味しかった〜」
「はると様〜俺は準備完了でっす!ってまさか!まさか、その荷物…?!」
玄関先に置いた紙袋に、いち早く気づく仁に続き、食器を流しに置いてきた一成も驚いた顔になった。
「はっはっは!俺から武士道へ差し入れだぜ!これを食べて…Aチームの好敵手として頑張ってほしいんだぜ」
言い終わらない内に、左右から抱きつかれて、ほっかほかになってしまった。
「はると様〜ありがとうございます〜武士道一丸、Aチームに負けない様に気合い入れるぜ!」
「はるる様〜大好き〜俺ら一生はるる様に付いていきます〜お祭り終わったらラブラブしようね〜」
「はっはっは!苦しゅうないぞよ。では仁さん、一成さん」
「「はい!」」
行こうか!!
2013.12.17(tue)22:32筆[ 500/761 ][*prev] [next#]
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