153.チャラチャラツイート(9)by天谷悠


 あ〜やれやれっとぉ!
 「ふぅ〜スッキリしたぁ〜じゃあねぇ〜またヌイてねぇ〜」
 「は、い…けほっ、こほっ……あの、では…失礼、します…」
 あっれあっれぇ〜?
 「なぁにぃ〜?その顔ぉ〜」
 「あっ…」

 がっと前髪掴んで顔上げさせたら、泣きそうに歪んでいた顔がまますます歪んで、恐怖の色に染まったから。
 更に冷めた。
 たっぷりとその怯えたツラ見下してから、乱暴に手を離す。
 「さっさと出てってぇ〜」
 「は、はいっ…」

 まぁったくぅ〜最近どうなってんのぉ〜?
 取り敢えずシャワー浴びる為に、その辺に脱ぎ散らかしながら、泡食って震えてる背中が服を掻き集めてんのを見た。
 体育祭前だからねぇ〜。
 流石に俺だってわかってるよぉ〜。
 お祭りキライじゃないしぃ〜ヤルからには絶対勝ちたいしぃ〜。

 中等部で3年間経験してるから、ネ。
 高等部に上がったら、いろんなイベントが更にヒートアップすんのぐらい、わかってるもんねぇ。
 皆、皆、忙しくなんの。
 俺だってぇ〜生徒会とかチーム練習とかで毎日鬼忙しいもんねぇ。
 でも優勝の為だしぃ〜良い内申もらえるしぃ〜勉強するよかラクだから頑張るよねぇ。

 今回は特にイロイロあるからさぁ〜マジ鬼ってんのよ、毎日たぁいへぇん!

 親衛隊だろぉが何だろぉが、この時期ばかりは皆、皆、対チーム目線。
 最優先がチームになんの。
 はるちゃんに会えなくたって、仕方ないんだよねぇこればっかりは。
 チーム違うとねぇ〜ロミジュリもまっ青!
 その替わり、夏休みも近いしぃ〜良いのだぁ〜!

 だからぁ〜俺をキモチヨクしてくれるカワイコちゃん達がぁ〜いつもと違うメンツになんのも仕方ないんだけどぉ〜。
 余計に溜まんだよねぇ〜毎晩呼んじゃって大変なんだけど。
 けどさぁ〜何で最近、今まで見かけたことのない新顔ばっかなのぉ?
 しかもぉ〜慣れてないウブウブちゃんばっかじゃん。
 いや、俺のリクエストだけどさぁ。

 ウブウブちゃん相手してたら、はるちゃんとヤってる疑似未来みてぇで〜燃えちゃって愉しいんだけどぉ。
 俺の相手っつったら、ウブな演技できる程、慣れた子じゃなかったっけ?
 ガチ初めてっス!みたいな子ばっかなんですけどぉ〜。
 疲れてるからぁ〜出すだけだしそれでイイんだけど、超疑問。
 今までこんなコト、なかったよねぇ〜?
 
 「ねぇ、ちょっとぉ〜」
 「は、はいっ…きゃあ、天谷様っ…」
 男の全裸ぐらいでまっ赤になるとか、君マジで何なの。
 「聞きたいんだけどぉ〜俺の親衛隊って今どうなってんのぉ〜?トップのあの…ほらアノ可愛い子とかぁ〜いくら体育祭前だからってぇ〜最近見かけなさ過ぎなんだけどぉ〜皆生きてんのぉ〜?」

 まっ赤なまんま、視線を彷徨わせながらウブちゃんは首を傾げた。
 「も、申し訳ございません、天谷様…僕は皆様の下なので…上の方々がどうなさって居られるかはちょっと…」
 「あっそぉ。じゃあねぇ〜」
 「は、はい…知らなくて、すみません…」
 いいからもう帰れってぇの。
 
 下だから上がどうなってるかわかんないって。
 ヤなカンジ。

 まるで今の、こーちゃんと俺達みたいじゃん。

 「…あ、あの…天谷様…」
 「あ?なぁにぃ〜まだ居たのぉ〜」
 「す、すみません!すぐ出ます…あ、あの…ただ…天谷様、最近お元気ないご様子で心配で…それなのに、僕、うまくできなくてっキャアッ」
 「……もうイイからぁ〜さっさと出て行けっつってんだよっ!!」
 「は、はいっ…」
 
 加減なく叩きつけた置き時計は、このガンジョーな造りの扉には大してダメージを残さずに、無惨に床へ散らばった。
 バッラバラ。

 まるで、今の俺達みたいに。



 2013.12.10(tue)22:28筆


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