14.チャラチャラツイートby 天谷悠(6)


 あっはは、想ったより使えるぅ〜!
 もう俺、笑いが止まらない〜。
 ニヤニヤをかろうじてニコニコへすり変えて、すぐ隣にいるはるちゃんに寄りかかった。
 「はるちゃぁん〜たこウィンナーもっと食べるぅ〜取ってぇ〜」
 「もー…ひーちゃん?さっきからたこ狙い過ぎ!たこの前にツナサラダも食べなさい!」
 「ちえ〜ま、はるちゃんサラダも美味しいから良いけどぉ〜ん〜じゃぁ、あーん!」
 「まったく…誰にこんなに甘やかされたのやら…この一口だけですよ?!次の一口からは自分で食べなさい」
 「はぁい!あーん」
 
 ん〜美味ひぃ〜!!
 はるちゃんの愛情たっぷり特製弁当を、はるちゃん自身から「あーん」して貰って食べたら、尚更美味ひいぃ〜!
 竜宮城のおもてなしって、こんなカンジだろぉね。
 天国って、毎日こんなカンジだろぉね。
 俺、超!超!超〜ハッピー!
 「…はると、おれ、も…。」
 ま、この場に居るのが俺とはるちゃんだけじゃないってのが、1番のネックだけどねぇ。
 はるちゃんを挟んだそこには、そーすけが居る。
 はるちゃんは俺だけじゃなくて、そーすけの世話にも忙しい。
 
 正直、っち!ってカンジだけどぉ。
 そーすけは俺と同志(今だけのネ)だし、仕方ないよねぇ。
 ちょっとぐらいは大目に見てあげますよ、そりゃあ。
 何だかんだ言って甘やかしぃのはるちゃんと、3人並んでソファーにぎゅうぎゅう詰めで、仲良くはるちゃん弁当食べてるってのは、すっごぉい奇跡なんだからねぇ〜。
 「コ、コウっ、これも美味いぜっ!!」
 「あぁ、サンキュ」
 「ど、どういたしましてっ!!オレも同じの食お〜っと!!」
 マジ奇跡。
 ガチ奇跡。

 目の前では、こーちゃんと玩具君が、ぴいったりくっついて弁当を突っついてる。
 その様を眺めながら、はるちゃんと一緒に居られるって、もうコレどんだけハッピー?!

 まさか俺、これでハッピーラブ運、結構使っちゃってるとか無いよねぇ?!
 ハッピー過ぎると、超怖いわぁ。
 この程度で浮かれてる場合じゃないけどさぁ。
 だってまだまだ、これからだもんねぇ〜?
 2人掛けのソファーは、余裕あるのにも関わらず、玩具君は身の程知らずのおバカさんなんだろう、こーちゃんの方に身体を傾けまくっている。
 そんな2人の様子…明らかに玩具君が一方的な態度なのに、それを赤い狼君はずうっと睨んでる。
 マジウケるんですけどぉ〜!!
 
 玩具君にしろ狼君にしろ、本っ当にバカなんだろうねぇ〜。
 こーちゃんがフツーにお金持ちのイケメンなだけの俺様生徒会ちょーだと想ったら、大間違いなのにぃ〜!
 何でわかんないかなぁ〜?
 俺らにだって全部はわかんない。
 さっきもだけど、時々超ビビる、こーちゃんの黒さには。
 強い者には巻かれなきゃなんないんだよぉん。
 それが社会の常識っしょ。

 こーちゃんは明らか、誰の目ぇから見ても完全なる強者じゃん。
 そんな人に、堂々と媚びたり(っつぅかぁ〜玩具君、まさかの一目惚れちゃった系?!)敵視して、どうなるっつ〜のぉ?
 ちゃんちゃら可笑しいねぇ。
 だからこそ、玩具君も狼君も、さいこぉに使えんだけどぉ。
 もうマジ予想外だわ、俺予想超越しちゃってるわぁ〜。

 『はるとだけ特別扱いなんて、変だっ!!そんなの間違ってるっ!!コ、コウは生徒会長なんだろっ?!学園の代表なんだろっ?!上に立つヤツが特定の生徒1人だけ贔屓するなんて、皆に示しつかないじゃんっ!!』
 『コ、コウとはるとだけっ、2人しかわかんない話すんなよなっ!!オレ達に失礼だろっ?!折角一緒にメシ食ってんのに、2人だけでヒソヒソ意味わかんない話してるなんておかしいっ!!』
 『もっと離れろよっ!!折角皆居るのにっ!!はるとももっと、皆と仲良くしろよなっ!!』
 ほんのちょっと前に生まれたてホヤホヤの名ゼリフの数々、想い出しただけで口角が上がりっ放しになる。

 いつもの木曜だったら、こうは行かなかった。
 俺達は、はるちゃんとこーちゃんが俺達にわかんない料理の話いっぱいしてる横で、黙々と弁当を突っつくしかなかった。
 2人の間にはどうしたって入れなかった。
 料理なんて知らね〜し、興味ね〜事ばっかだし、しょうがないよねぇって諦めてた。
 はるちゃんには夢があるから、俺は男らしく見守ってあげるしか出来ないんだって。
 何でこーちゃんが、そんなにもいろーんな事知ってんのか、それも意味不だったけど聞くに聞けなかった。
 はるちゃん取られて拗ねてるって、対抗心燃やしてるって、こーちゃんにそんな風に想われたくなんかないから。
 キョーミないふりして、一線引かれた外から眺めるしかなかった。

 それがどうよ?!
 玩具君のお陰で、はるちゃんとこんなに接近して、まるで昔みたいじゃん?!
 俺のテンション上がんのも仕方ないよねぇ〜!
 そうだよ、はるちゃんは俺のもの。
 料理の事わかんなくたって、はるちゃんは俺を見捨てたりしない。
 いつだって絶対、側に戻って来てくれて優しくしてくれる。
 こーちゃんだって、此所ではちょっと珍しいタイプのはるちゃんより、玩具君のが刺激的で面白いんじゃないのぉ?
 コレが1番良い形。
 何より、他人の色恋沙汰が、ややこしい三つ巴になって行きそうなのって、すんげぇ愉快じゃん?
 
 玩具君に、こーちゃんから強く引き離されて。
 結構いろんな事言われて責められて。
 それではるちゃんが落ち込んでて。
 俺達の世話焼きながら、想い出した様に時々、それは寂しそうにこーちゃん達を見ては目を伏せているとか。
 気づいてたけど、俺は何も言わない。
 今だけ。
 今だけの事でしょぉ?
 直に慣れるよぉ、俺達のがはるちゃんに近いんだし。

 だってこーちゃんは、誰にも心を許さない、誰とも深く付き合わないんだから。

 遠い遠い存在、ガチで凄い人だから、仕方ないんだもん。
 


 2011-07-22 23:59筆


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