10.驚きの1日は青い花で締めくくられる
ふ〜…やれやれー…!!
今日もよく勉強し、よく笑い、ほんのちょっぴり泣き、充実した1日でした、お疲れさまでした。
たっぷり時間をかけて、料理したくてたまらないけれども、両手がうずくけれども、来週までの我慢我慢…
お風呂も入った、ブログも書いた、秀平たちにお礼メールもした。
あとは寝るだけ。
机の上に飾った、青い花のアレンジメントを見つめながら、手元にある「お手伝いチケット」の綴りを指で弄んだ。
お昼休みのことが、自然と想い出された。
試験期間中のお昼ごはんは、ずっと食堂のお世話になっている。
今日もクラスの皆さんと出向いたところ、食堂には3大勢力の皆さま方が揃っていらっしゃって、またもサプライズ!
あらかじめ特別にオーダーしてくださっていた、「母の日スペシャルプレート」、山本春明師匠さまの技を尽くした創作料理の数々…おいしかったなぁ〜…
夜になってもまだ、胃がその喜びを覚えている。
特別デザートの「母の日ケーキ」も、すっごく見事なデコレーションで、すっごおおおくおいしかった。
素晴らしいお料理は勿論のこと、皆さんから贈られた色紙や、手作りのこの「お手伝いチケット」の綴りのプレゼント、とっても嬉しかった。
あんなにたくさんのお花を頂いたのに、まだプレゼントがあっただなんて!
パラパラとチケットの綴りを繰ると、お1人さまずつ手書きで出来ることを書いてくださっていて、個性が現れていて楽しい。
在学中ずっと有効のチケットたち、いつ使うべきか迷うなぁ。
それにしてもひーちゃんめ…「にんじん・ピーマンを残さず食べます券」とか「おんぶしてあげます券」、「2人っきりでデート券」…あの子ときたら!
武士道の皆は可愛いらしいなぁ、「どこへでもおつかいします券」「肩たたき券」「カレー作ります券」…そうだね、カレーは皆だけで作れるようになったものね…!
仁と一成の「ケンカ代わります券」「誰でもシメて来ます券」は可愛くないけれども。
「ザ・食堂ファン」さんと「学園お散歩倶楽部」さんには、お会いしたことがないと想うのだけれど…委員会&部活動のしおりにもお名前がなかった筈だ、と言うことは同好会さんなのだろうか?
ふむ…「1日見学券」「体験入部券」とか実に興味深いですな!
試験後、早速使いたいチケット候補上位です。
見ていると飽きないチケットの綴り。
フリーチケットというのも最終ページについている。
「誰でもご指名自由のお願いごとチケット」、早速、この土日の試験対策の追い込みに付き合って頂けないかとちぎろうとしたら、皆さんに笑われてしまった。
それぐらい、いつでも付き合うって仰ってくださった、皆さん、なんていい人ばかりなのだろう。
明日も明後日も勉強会だから、早く寝なくちゃ。
なんだけれど。
机の上で、一際存在感を放っている青い花たち…
お昼ごはんが終わる頃、柾先輩がどこからともなく持って来られた、世にも珍しい青いカーネーションで構成された花束。
『手に入るかどうかわからなかったけど、昼に納品来たからやる』
無造作に渡された花束に、皆さんもびっくりなさっておられた。
ひとつひとつ、教えてくださった。
ムーンダストという品種のカーネーション、アクアブルー、ライラックブルー、プリンセスブルー、ベルベットブルー、アメジストブルー、パールブルー。
6色のそれはうつくしい青色の花たちを、白い花たちで引き立てたアレンジメント。
青色は大好きだから、ほんとうにびっくりして、ほんとうに嬉しかった。
こんな色のカーネーションがあるんだねぇ。
『お前には青が似合う』
チケットの綴りを再び繰った。
「俺様チケット」のページで、指が止まる。
見事な筆のタッチで豪快に描かれた、「何でも言う事を聞いてやらんでもない券」、一体なんなんだろう、これ。
あの生徒会長さまにお願いすることなんてない、いやそもそも、お願いなんかできないし。
変な人だ。
他の可愛いらしいチケットを見習ってほしいなぁ、日和佐先輩なんて「風紀委員室のお昼寝券」…いや、これはこれですごいな!あのお部屋でお昼寝していいのですか、日和佐先輩!
ふと、あくびが出た。
チケットはまた後日、じっくり拝見させて頂きましょう。
せっかくだから、使い道も検討させて頂きます。
青い花弁にそうっと触れてから、チケットを丁重に引き出しへ仕舞って、伸びをひとつ、机から離れた。
運びこめるだけ運んだ花たち、部屋中を赤とピンクの洪水が埋め尽くしている。
なんとも華やかな空気の中、あったかいベッドへ潜りこんで電気を消した。
2011-03-06 22:33筆[ 265/761 ][*prev] [next#]
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