82.武士道ロック(2)by 椿堂


 チョリース!
 4月16日火曜日デース!
 武士道では軟派(ケンカのお買い物が得意デース!)担当、且つ一成さんの投げたボールなら地の果てまでも追いかけまっす、椿堂デース!
 ただ今、我々十八在住の武士道、総長副長俺ら幹部その他メンバー全揃いで、ランチターイム中!
 勿論、お母さんの手作りラーンチ!
 マジ泣ける、マジ最高ス。

 先週は死んでたっけなぁ…
 お母さんの春野菜の煮物を味わいまくりつつ、遠い目になるのも仕方があるまい。
 毎晩オールの勢いでガンガン作業しまくって、全員ピリピリして殺気立って、お母さんが居るから…と想って血を見るケンカはなかったものの、口汚く罵り合った事は少なくない。
 仁さん、一成さんもすげー鬼ってたし。
 それも今となっては良い想い出だぜー。

 土曜日の明け方、やっとこさ十八ホームが完成してさ。
 お母さんをご招待して、お母さん、ぽろぽろっと泣いちゃうぐらい感激してくれて、流石の俺も男泣きしちまったぜ…
 そっから花見して〜、昼寝して〜、お母さんの探検にハラハラひやひやしながら付き合って〜(だって俺らのお母さんは厳しいんだぜ!2階はラブホだったしな〜)、見事に花丸合格もらって浮かれて〜!
 探検が終わった後、買い足すものや、もうちょっと改装する所なんかを、お母さんと相談して決めたのはマジわくわくした。
 そんでそのまま、晩メシもお母さんと一緒に作って食べて、お泊まり会突入して、ちょーう楽しかった〜!

 これからずっと、十八ホームでお母さんと会える。
 つか十八にお母さんが居て、会いたいと想ったらいつでも会えるんだ。
 すげーすげーすげーシアワセ!!
 弁当シフトなんつー、あのムカツク鬼悪魔、柾昴が生み出したシステムは頂けませんけど…?(アノ男、ぜってー武士道の名に懸けていつか負かしてやるんだからね!)
 いずれ、お母さんの時間は武士道が総取りしてやるんだ!
 誰にも邪魔させねー。

 お母さんは、仁さんと一成さんのもので、それはつまり、俺らのものって事。
 A組だとかアノ鬼悪魔の住処の生徒会とか風紀とか、ウゼェ存在はうっじゃうじゃ居るし、お母さんはお母さんだからさ、そんなヤツらにも優しいから…
 けど、俺らはお母さんを守ってみせる!
 俺ら武士道とお母さんの絆は、ぽっと出の十八坊っちゃん共に断ち切られる様な、ヤワなもんじゃねー!

 あー…しっかし、このさくらんぼソースプリン(再改)、マジ美味いわ〜…
 お母さんの飽くなき追求、こだわりが感じられる逸品!
 土曜日もごちそうになったけどさー、そん時よりもぐぐっと美味しくなってるなんて、お母さんったら!
 どんだけ俺らの事が好きなの?!
 流石の俺も照れちゃう!!
 けど、これからも俺は、武士道唯一お母さんと同じぐらいの身長目線の良き相棒として…


 「――…スト〜ップ、椿堂。もーいーわ〜お前選んだ俺が悪かったわ〜自慢公開しても、外の奴ら納得しねーし?他当たる〜」


 「ちょ!一成さん、待って下さいよー!俺、調子出て来たのに!」
 「はいはい〜またの機会によろしく〜やっぱーはるる本人の声のが説得力あるよね〜」
 「確かにそうスけど〜」
 さっさとボイスレコーダー片手に去って行く一成さん。
 ちえー折角ノリノリだったのに〜!
 けどまあ、十八外の武士道組、俺らに相当ジェラってるし?
 「武士道便り―十八学園の声―第22報」、特別番外でお母さんの生メッセージ、聞かせてやっても良いかもな〜。
 ヒロさんもお母さんに会いたがってたし。

 デザートのさくらんぼソースプリン(再改)を堪能しながら、見上げた空は今日も青かった。



 2011-02-05 23:32筆


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