13
人目に触れない所ではスキップしながら、たどり着いたミーティングルーム前、待つ事、数10分。
早朝出待ちのお馴染みメンバーと、静かに微笑を交わしながら、大人しくひたすら良いコで待った。
淡々と進行したみたい、予想より早く終わったミーティング。
まるで逃げる様に出て来て、早足で去って行く先生方、親衛隊持ち外の生徒の姿に、「今朝の噂」が嘘じゃない事を知った。
柾様ったらぁ〜…
んもう!何を考えていらっしゃるのやら!!
でも、やんちゃな柾様もワイルドさに益々磨きがかかってステキ…!!
何故か顔色悪い前期役員達が出た後、メガネ風紀、その他生徒会の後に、いよいよ柾様登場!!
あぁん…今日も男らしいっ…
何て雄々しいのっ…!!
ギラギラ不機嫌オーラがステキィィィ!!
つか、柾様、メガネメガネメガネ…!!
はっ!
心春の為に?!
心春の為に、滅多にかけないメガネをかけて下さったんですねっ!!
鼻血噴きそうっ…!!
「お、心春じゃん。久し振りだな、おはよ」
あぁんっ…柾様から気づいて下さったぁんっ!!
マジ、鼻血噴くぅ〜〜〜!!
「おはようございます、柾様…朝からお疲れ様です…」
でも僕は完璧に可愛い天使、合原心春だから、きちんと控えめスマイルを撃ち込んだ。
だけど。
朝礼頑張って下さいネと言う前に、柾様がそー言えば…と呟いた。
「心春、あいつと同じクラスだったな」
アイツ…?!
完璧な控えめスマイルをキープしたまま、こてんと小首を傾げる僕に、柾様が近寄って来られて。
おもむろに背を屈めて。
「伝言頼む。暫く地味にしとけって。心春も知ってんだろ?『お母さん』、報道部にすっぱ抜かれてやがる」
いっやあああん…!!
耳に柾様ブレスが…まさにゴッドブレスが…!!
低い声が…ゴッドヴォイスが…!!
甘辛セクシーな香りが…ゴッドフレーバーが…!!
つか、肌…!!
肌、肌、肌!!
程よく日焼けした健康的な男らしい肌が、シャツの隙間から見え…!!
ワイルドスプリング!!
たったこれだけでイッちゃうぅぅ…ハァハァハァ…!!
「頼むな。じゃあな心春、また2年間よろしく頼むぜ」
はうっ……
柾様スマイル、心春独占の巻!!!!!
心春の心臓も血液も視力も聴力も精力もどれだけあっても足りないっ…
何回イカせるおつもり?!
柾様ったら何て罪な男!!
……それにしても、柾様ったら、前陽大に興味津々……?
んもう!!
オモチャだったら、親衛隊を使って下さいって中等部の頃から延々言ってるのにっ!!
ま、確かにヤツはオモチャっつかお母さんっつか、なんっか丁重に扱った方がいい様な気がするっつか…
精悍な後ろ姿を見送りながら、さっき見えた肌の残像と、耳に残っている低いゴッドヴォイスに想いを馳せつつ、柾様直々の伝言にぼんやりしていたら、白バラメール受信。
「今回の騒動、不問に処す」と、前陽大に伝言しとけって…
合原心春はいつからメッセンジャーになったのでしょう?
っち……
面倒くせー(無論、柾様の伝言は面倒なんかじゃありませんからねっ)。
働きますか……クソだりぃけど。
しっかし前陽大、どんな記事を書かれたんだかねぇ…
アイツ、これからもしかして、本人望む望まない別にしてトラブルメーカーになるんじゃないの〜?
2010-10-24 23:24筆[ 176/761 ][*prev] [next#]
[目次]
[しおりを挟む]
- 戻る -
- 表紙へ戻る -