67.川の字でゴロリ〜ン!


 日差しがポカポカ。
 想わずうとうと。
 かくかくし始めた俺を、両サイドからベッドへ引き上げてくれた。
 「……うう…かたじけない…」
 「はると、半分寝かけてんな!」
 「かーわい〜つか〜この体勢、おかしくね?笑える〜!」
 笑えるって言っても、一成先輩。
 確かに笑えるけど、これでいいって言ったのは、先輩方ですよね?

 大の男、3人。
 しかも、内2人は細身に見えてガタイ良く、高身長だ。
 俺だって後1年後には…!って、俺の決意はどうでもいい。
 シングルベッドに横並び、足は床についた状態で、ごろごろ寝転んでるこの図。
 上から見たら、面白いだろうなぁ…
 何してるの?!って感じだろうなぁ…
 「仁先輩…写メってくださいにゃ〜…ブログ、ブログ用に…!」
 「もー撮ったし。つか、殆ど寝言状態な、はると」
 「俺も撮ったあ〜自慢用に〜」
 「ありがとう…ございます……ふぁ〜あ…」

 寝の体勢に入る俺に、ブランケットがかけられたのがわかった。
 寝転がって乱れた前髪を撫でる、一成の手。
 寝やすいように、ぽんぽんと背中をあやす仁の手。
 俺、なんかちっちゃい子供みたいだなぁ…
 甘やかされてるなぁ…

 「…そういえばさぁ…仁も一成も、俺と一緒にいていいの…?『武士道』の皆は?」
 「あー、ヤツらは十八に『ホーム』作る為に、溜まり場の大掃除中だから」
 「そうそ〜俺らはそれまではるるの護衛ね〜」
 「……十八に、ホーム……ホームとは、和訳で家です…」
 「ははっ、完全寝惚けてる状態だな、はると」
 「はい!眠たいです!…むぅ〜…」
 「はるるは何にも心配しないでいーから。おやすみなさいな〜」
 うーん…
 仁と一成の、それぞれ趣の違う低い声が、耳に優しい…

 「……でも〜…大掃除なら、俺も一緒にする〜大掃除したいぃ〜…」
 「……あー…ははは…半端なくとっ散らかってるからさ…取り敢えず今日明日は、ヤツらにお任せ?みたいな?」
 「……そうそ〜内装的なものとかインテリア案は勿論、はるるに任せるけどさ〜内外合わせて、チョット、ね…」
 「「ははは…」」
 む?!
 笑ってごまかしてるなー、何かあるんだな!
 人が眠たいからって、わかってないと想ってるだろうけれど!
 これでも意識ははっきりしてるんですからね。
 後で覚えておきなさいよ?

 「それはとにかく後日改めて…夕ごはん〜…どうしよぉ…美山さん、あったかいものがい〜って〜…」
 「おでんとか?」
 「シチューとか?」
 「はい、2人共却下〜…どちらも前日の仕込みが肝心…そんな時間はありません〜…」
 「「じゃ、何でも良いんじゃね?」」
 「も〜……と言うか、お買いもの行かないと〜…」
 「起きたら連れてってやるよ」
 「十八の事ならまーかせて〜!」
 心強いなぁ…
 さすが、先輩…
 でも、十八・十八って連呼されると、十八さんの顔が想い浮かぶ…そうだ、メールしないと…

 
 「「あ、寝た」」

 
 「疲れてんだな、はると」
 「そりゃ無理ないっしょ〜気ぃ張ってんだよ、このコの事だから」
 「だなぁ…おーおー熟睡じゃん?」
 「こうなると起きないよね〜はるる」
 「だな。マジ懐かしいわ、この感じ。ははっ、見てみろよ一成。俺らのシャツ握り締めて寝てら」
 「か〜わい。はるる、しばらく至福の2人占め〜」
 「つか、俺も眠ぃ…ふあ〜あ…」
 「同感〜この顔見てたら、やっぱつられんね」
 
 「「寝ますか!」」


 おやすみなさい!


 <はるとお母さんの豆知識>
 お昼寝前にカフェインを摂ると、スッキリお目覚め効果があるよ!
 ただし、人の体質、日頃のカフェイン摂取状態に因ります。
 また、これは数10分程度の昼寝に効果的な方法です。
 お話の中の俺たちは、これから数時間昼寝してしまうので、あまり意味のない摂取でした。



 2010-08-15 22:58筆


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