※ホラーちっく



確か雨が降ってたんだ、





家を出る時は雲1つない晴天だったから、傘なんてもってる訳もなく学校の正面玄関で1人どうしたもんかと悩んでる時だった。



校門のところに、女の子が立ってたんだ。赤色の傘に赤のレインコートを着てて、長靴を履いてた。赤の。



その鮮やかな赤に目が行ったけど、そのうち気にしなくなって暗雲立ち込める空と睨めっこしたり、ざぁざぁ降る雨に悪態をついたり鼻歌歌ったり。




で、ふと顔上げるとやっぱりこっちを見てんの。



そうなると気になるじゃんやっぱり。



で、今度は俺も見つめ返してみたの。そしたらその子はニィって笑って(いや、実際遠かったからよく見えなかったんだけどでも何でか笑ったように見えた)、そのまま校門を出て行った。





次に気がついたら俺は近くの河原に来てた。

あいかわらず雨は降っていて、全身ずぶ濡れ。この大雨で川はいつもの穏やかな流れじゃなくて、今にも氾濫してしまいそうな程ゴウゴウいいながら流れてる。



あれ?俺一体どうしてこんなとこいるんだっけ。


そんなことをぼんやり考えて、
ふと

川岸に目をやった。


「・・・っ!おいっ、危ないぞ!」

思わず叫んで、俺は駆け出していた。


だって、川の流れのギリギリの位置にさっき見たレインコートの女の子が立っていたんだ。こんな早い川の流れなのに、まるでただ水遊びをしているかのように楽しそうに水面に片足をバシャバシャやっている。


咄嗟に駆け寄り腕を掴んだ。
よかった―

と、安堵の息を吐いた。




 だ け ど



「お兄ちゃんも一緒にあそぼーよぉ」






そこからまた記憶が少し飛んで、


次に気づいた時には何故か、臨也さんの腕の中だった。






「おや、やっと気づいた?しかし危なかったね〜。もう少しで連れてかれるとこだったよ、キミ。」


にこやかにそう言い放たれた瞬間、記憶が飛ぶ間際のことがフラッシュバック。






「お兄ちゃんも一緒にあそぼーよぉ」


そう言って、確か女の子は振り返ったんだ。

でも、振り返ったその子の顔は血まみれで、

それを見て思わずひゅっと息を飲んだ瞬間、すごい力で腕を掴み返されて、川に引きずりこまれたんだ。






思い出して絶句。
臨也さんが、助けてくれなかったら・・・。


そんな俺の真っ青な顔を見て、ニヤリと笑った臨也さんは


「どうやらキミ憑かれやすいみたいだから、気を付けなよ」

サラッと衝撃の発言を残して去っていった。



いまだに腰が抜けて動けない俺の頭を占めるのはさっきの女の子。






女の子が来てた赤のレインコートはどうやら元々赤だったんじゃなく、



その子の血で赤く染まっていたようだった。





レインコート





「・・・・・・・帰ろ」








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