いつの間にか俺は薄暗い森の中に立っていた。 どこだここは。 じっと目を凝らせば微かに見覚えのある光景だということに気付く。 途端に襲い来る恐怖 ここにいちゃ不味い ずるずると何かが近づいてくる気配がする 怖い 背中に伝う冷や汗がリアルに恐怖を煽る 怖い こわい こわい こわい た す け て !!! 「っは、」 ガバっと起き上がる。 何だ夢か 時計を見る午前4時ジャスト。外はまだ薄暗い。 息つかぬまま徐に携帯を手に取る。 押し慣れた番号も今は震えている手のせいで全然正確に押せない。 何回か押し間違えては、打ち直しを繰り返しようやくかけたい番号を押す。押した後にメモリーから呼び出せば一瞬だったことを思い出した。 プルルルル プルルルル 短い呼び出し音すら煩わしい。 早く出ろよっ 一向に出る気配なし それでも根気強く携帯を耳に当てる。 バクバクと脈打つ心臓に手を当てながら。 『…なんなの、今何時だと思って』 「今すぐきて」 『は?何で』 「いいから!!」 『ちょっとは落ち着きなよ正臣君』 こっちは緊急事態だってのに電話越しに暢気なあくびが聞こえてきて苛立ちが募る。 誰のせいでこんなことになってると思っているんだ!!! 『とりあえず、夜が明けたら行ってあげるよ』 その一言で何かがブチッと切れた。 「俺があれだけいやだって言ったのにアンタが無理やり、“リ○グ”なんて見せるから夢見ちゃって寝れないんだよ!!!いいからさっさと来い!じゃないとあとでどーなるかわかってんだろうな!ええ!!?」 午前4時 『…行きます』 「3分以内に来ないとお前の恥ずかしい写メばら撒くからな」 これが続に言う下克上 |