電気つけなくてよかったな





(※都市伝説のパロ)




その日は友人の誕生日会だった。自宅でパーティーを開くと言うからみんなでそいつの家に料理やらケーキ、酒を持ち込んで大分長い時間ワイワイ盛り上がっていたんだ。


「おい、帝人。お前べろべろじゃんか。大丈夫かよ?」

「ん〜、だいじょぶ・・・」



何時間もいたはずなのに、楽しい時間はあっという間に過ぎて気づけばもう深夜近い。当の主役はすっかり出来上がっており、うとうととしている。
他の友人も明日はそれぞれ仕事や大学があるため、そろそろお開きにしようかということになったのだが、


「おい、帝人まだ寝んな!ったく・・・俺らもう帰るからなー。ちゃんと着替えて寝ろよ」

「んー・・・」



こんな状態の主役をほって帰るのも忍びないが、とりあえずみんなでベットまで運び、残りのメンバーと共に電気を消して部屋を出た。




×






「あ、やべ。」


部屋を出て5分ほど歩いたところでケータイがないことに気づく。鞄やポケットも探したが、ない。


「どした?」

「ケータイ忘れてきた、ちょっと戻るわ。」


友人たちにはそこで別れを告げ、1人部屋に引き返すことにした。







ピンポーン


「寝てるよなーやっぱ。」


困った。呼び鈴を鳴らしたが全然出てこない。そりゃあんなけ泥酔してりゃ今頃夢の中だよな。
しかし、ケータイがないとやはり困る。ふと、ドアに手をかけた。


ガチャ―


「あ?」

なんとドアは簡単に開いた。一応男だからって不用心な。

中は真っ暗でやはり寝ているのだろうことは容易くわかった。


「おじゃましまーす。」


部屋に入ったのはいいが暗くてよく見えない。電気をつけようとスイッチに手を伸ばしたが、それで起こしてしまうのも悪いし・・・。

ふと足元に目をやると視界の端でチカチカと光るものが見えた。手を伸ばせばやはりそれは自分のケータイだった。

見つかったことにほっとして玄関に向かって歩きだした時。

ガッ―

「わっ、」


何かに躓いた。しかもどうやら人の足、所謂寝ていた帝人に躓いたらしい。
ちゃんとベットに寝かしてやったのに、寝ぼけて落ちたのか?しかし、起きる気配はまるでない。ほっとひと安心して、そのまま部屋を出る。


「ハッピーバースデー」


そう言い残して。



×



「ど、どういうことだよ!」


予期せぬ訃報を聞いたのは翌朝で駆けつけたときにはもう遅かった。


警察が言うには、部屋が荒らされており金品がなくなっていた事から強盗の仕業だろうという話だった。

俺がケータイを取りに行ったあの時に、何がなんでもたたき起こして戸締まりさせていればこんなことには・・・

どれだけ後悔してももう遅いのだけれど。


それから少し警察に事情を聞かれたので、昨日の夜のことを全て話した。少しでも犯人逮捕につながればと思ったからだ。俺が1人ケータイを取りにいったと告げると警察は少し顔色を変え、見てもらいたいものがあると俺を部屋に案内した。



アイツの部屋―

その部屋は、昨日のことがまるで嘘のように荒らされていてあちらこちらに荷物が散乱していた。


茫然と立ち尽くす、俺に警察が1枚の紙を見せてきた。


そして、

そこに書かれた文字を見て

俺は絶句した。



そこには

アイツの血ででかでかと

こう書かれていたのだ。





電 気 つ け な く て よ か っ た な











×××




リク内容はホラーでとのことでしたので、
今回はこのような内容にしました。

えー、萌え要素皆無ですねすいません(笑)
しかも帝人くんを犠牲にしてしまいました←
帝人ファンの方すいませんでしたorz
フィクションですのでお許しください!







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