B




「おい、紀田行くぞー」


「…お前らなんでそんなに平気で入ってけるんだよ」



ホストクラブ『DRRR』


何でもここにすごいイケメンがいるんだとか。
つーかそれ一体どっからの情報だよ。何で男のお前らがその情報知ってんだよ。

と、友達に聞きたいことは山ほどあったが店の前まできて、やっぱり帰るとは言えずおずおずと彼らの後に着いていく。
中は薄暗く、シャンデリアのような装飾がキラキラと存在感をアピールしていた。各テーブルについているのも、当たり前だが女性ばかりで今すぐ帰りたくなったのは言うまでもない。


「こちらへどうぞ。」


案内されたのは結構奥の席で入り口が見えない。帰りたい。


「では、すぐに人をご用意しますので少々お待ちください。」

そういうとボーイさんは入り口の方に姿を消した。周りのテーブルでだんだん盛り上がっているようで、あちこちから高そうなお酒の名前と笑い声が響いている。
最初は面白半分だった俺達もだんだん居心地が悪くなってきた。


「な、なぁ。俺らすっげえ場違いじゃねーか?」

「まあ来ちまったもんはしょーがないじゃん。たのしもーぜ」

「そーそ」



…どうやら居心地が悪くなってきたのは俺だけのようだ。











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