悪魔の囁き
いつからだったろう、あんなに拒否していたはずなのに。俺が臨也さんに頼り始めたのは――。
「ま、今のところはこんなもんかなぁ。」
「・・・そうっすか。」
某、高級マンションの一室。
沙樹と付き合い初めて、コイツが現れて、コイツの情報のお陰で黄巾賊も軌道にのりはじめて。
でも、やっぱり。
いつまで経っても、この、折原臨也という人間だけは、どうも好きにはなれなかった。
「じゃあ、俺帰ります。ありがとうございました。」
軽く一礼して足早に踵を返す。一秒でも早くここを出たい。情報さえ貰えれば、ここに用はないのだから。
「あれれー、いいの?そんな態度で。」
出口まで、あと数メートルというところで後ろから声をかけられ立ち止まる。
普通に聞けばのんびりとした間の抜けた声。
しかし、臨也さんの裏の顔を知っている俺からしてみればそれは正に、悪魔の囁き。
「紀田くんさぁ、情報貰っといてお礼もなしに帰っちゃうわけ?」
「・・・お礼なら、さっきちゃんと言ったじゃないっすか。」
「あれがお礼?やだなぁ、紀田くんったら。こないだ教えてあげたじゃない。お礼の仕方をさぁ。」
まるで足が氷ついてしまったかのように俺はそこから動けなかった。後ろから聞こえる臨也さんの声が近づいてくる。
逃げなきゃ―
でも、ここで逃げればこれから情報を貰えなくなるかもしれない。そうなれば、黄巾賊は―
「そうそう、やっぱり君は頭がいい。素直な子は嫌いじゃないよ。」
後ろから抱きしめられても俺はそこから動けなかった。耳元で囁かれる、悪魔のような臨也さんの声を聞きながら今から起こるであろう地獄から逃れるように目を閉じた―
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強 制 終 了 !
裏にいけませんでした/(^^)\ww
続編書くことがあれば、多分裏になるであろう、と思います!←