積極的にいきましょう




※10000キリリクです!キスネタ^^






「んぅ、んんっ」

「っは、今日はやけに積極的じゃないどうしちゃったの正臣くん?」



くっそ、随分楽しそうじゃないか臨也さんめ。しかしここで引き下がることは出来ない。そんな思いで俺は今まさに、臨也さんを押し倒さんばかりに無我夢中で、き、き、キスをしていた。






何故こんなことになっているのか。
話は昨日まで遡る。






「え、じゃあいつもそういうことする時は臨也さんからなの!?」

「はぁ、まあそうっすね…。」

「それじゃあ臨也さんがかわいそうだよ!ちゃんと紀田君からもいかないと」


学校の帰り道偶然であった狩沢さん。
『あ、紀田君!ちょっとお茶しない!?』
そう言った彼女に半ば強引に連れてこられたメイド喫茶。お茶するところなんてもっと他にあっただろうに…、何故にメイド喫茶。

そして今まさに俺は質問攻めにあっていた。


「じゃあ、キスとかも全部臨也さんからなの?」

「…つーか狩沢さんは、何でそんないろいろ知ってるんすかね」

「ちっちっちー、私の情報網をなめないでもらいたいな!」


不毛な情報網だなオイ。


「ふーん、そっかー。でもそれで大丈夫なの?」

「…何が」

「いくら臨也さんだからって、しょっちゅう自分から仕掛けてたんじゃ不安になるんじゃないの?」


あの人が不安になるって?
んなわけあるか。


「ま、SEXのお誘いまではしなくていいと思うけどぉ。キスくらいは紀田君からした方がいいんじゃない?」

「なっ!狩沢さん、声がでかい!!」

「気にしない気にしなーい!とにかく実践あるのみ!今日ぐらい頑張ってみたら〜?」


始終ニヤニヤしている狩沢さんに耐え切れず俺はメイド喫茶を後にした。だいたいなんで俺がメイド喫茶になんか…。しかし、メイドさんは可愛かった。










そんなわけで、狩沢さんに言われたことを気にしないようにしていたのだが、考えれば考えるほどどんどんとそんな気がしてきてしまう。で、結局狩沢さんの言うことに従ってしまった結果、冒頭に戻るのである。









臨也さんを押し倒して懸命にキスをする。自然に開けられた口内に舌を這わす。挑発的に誘ってくる臨也さんの舌を絡めとる。いつもは臨也さんがリードしてくれるのに、今日に限っては俺にされるがままだ。クソ、困ったどうしよう。


「…んっ、はぁ」

あまりに必死でキスしてたもんだから呼吸するのを忘れていた。息苦しくなって自分から離れる。今回俺がリードしたはずなのに臨也さんがばててないのが悔しい畜生。


「ん、…ふふ、何?もうばてちゃった?」

「なっ」


余裕そうに俺を見る臨也さんに、恥ずかしいやらムカツクやらで顔に血が上るのを感じる。俺今ぜってー顔赤い。そんなことを考えていると、ずいっと近寄ってくる臨也さん、ちょ、近いって。…キスしてたんだから当たり前か…。


「ね、今日はどうしたの?」

「…か、狩沢さんに言われたから(ボソ」

「?何言われたの?」

「な、なんでもない!」

「え〜、気になるなぁ?」


あんまりしつこく詰め寄ってくるもんだから渋々ことの経緯を話す。

「―って、狩沢さんが言うから…その…」

「………」

「…いざやさん?」

「…くくっ、あははははっ」

「ちょ、何で笑うンすか!」


途端に噴出す臨也さんに何事かと慌てる俺。て、この人が爆笑するなんてちょっとレアなんじゃ…、なんて考えるあたり俺にもまだ余裕はあるのかな…。


「ふ〜、そっかー。正臣くんはそんなこと気にしてたの。」

「!そ、そんなことって!」


俺必死に頑張ったのに!なんて思っているといきなりその場に押し倒される。

え、何この状況…



「こんなことしなくったって、正臣くんからの愛は伝わってるよ」

「!?」

この人は何でそんな恥ずかしいことを堂々と…っ!いったん引いたはずの熱がさらに顔に灯る。思わず口をパクパクする俺に、臨也さんはクスッと笑って舌なめずりをした。

え、なにその悪人面。


「というわけで、いっただっきまーす♪」

「え、ちょ!―ひっ」







こうして2人は嫌というほど愛を確かめ合いましたとさ。










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