@その2



「おしかったねー、紀田くん。またまた遅刻。残念でした」

「…うるさい。」


昼休憩。
さっそく嫌な笑みを浮かべた折原臨也が、俺の席の前に座る。
見た目は確かにいい(かもしれない)が性格がミステリアス、そんなこいつは悔しいことに俺より女の子に人気があったりする。
皆はしらないかもしれないが、言うこと鬼なんだよコイツは。絶対ドS。なのに俺よりモテるって何…。
あ、何か泣きそう。



「さて、今日のお昼は何食べようかなぁ。そうだ、久しぶりに購買で一番人気のメロンパンにしようかなぁ。」

「くっ…!」


しかもメロンパンて…、超人気商品じゃねえか。
今から走って間に合うだろうか。




「じゃあ俺焼きそばパンと牛乳。」

「あ、僕はサンドイッチ。卵のやつがいいな。」

「俺はカレーパンでいいぞ。」


「お前らっ、鬼だな!!」




上から平和島静雄、岸谷新羅、門田京平。
ぞろぞろと俺の席の周りに集まって腰を下ろすクラスメートの容赦のない言動に顔が引きつる。

嗚呼、無常にも俺の財布の中身がこんなことに消えていく…。







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