もしもシリーズ@



もしもシリーズ第1弾。


〜もしも紀田くんが来神組と同期だったら〜









キーンコーンカーンコーン…


ああやばい、今日も遅刻か?いや、走ればまだ間に合う。
全力疾走で3階までの階段を駆け上がる。


キーンコーン―…


今日こそはとしっかりセットしたアラームが、何故かマナーモードになっていて鳴らなかっただなんて、笑えない。

ああ畜生!また遅刻したら、そろそろ本当に洒落にならなくなる。
よりにもよって俺の教室は階段上がって1番奥。
くそっ、今日こそは!!



ガラッ―


「せ、セーフ??!」

「残念、ぎりぎりアウトだ。」


「ま、まじかよーーーーっ!!」



教室に入るなり先生の無常な先刻。
あんなに全力疾走したのにっ!崩れ落ちる俺を見て、教室の空気が一気に和むのがわかる。ああ、さすがムードメーカー俺。(自称)



「ほら紀田、さっさと席につきなさい。」

「…はーい。」



朝から激しい運動をしたためか、疲労感がものすごい。
あー、今日も遅刻…。
どうせ遅刻なら休めばよかった。

まあ、今更後悔したところでもう遅い。げんなりして自分の席に向かう途中に見たくない顔を視界の端に捉える。ああ会いたくない。畜生、あの笑みがムカツク。







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