その2
「あ、正臣くん発見ー」
「げっ」
「・・・・・・」
聞きたくない声が聞こえ、思わず口から声が漏れる。
振り向けばやはり臨也が爽やかな笑顔を貼り付けて立っていた。
ていうか、いつも思っていたんだが何故短ラン…。
「げって、ひどいなぁ。俺に会えて嬉しいくせに。」
「いやいやいや、嬉しくないです。」
「そうだ、今日は寝坊しなかったんだねー。よかったじゃない。」
「つーか、俺が寝坊してた原因はお前だろ!!静雄に聞いたぞ全部!!」
「やだなぁ、自分のミスを俺のせいにするなんて」
「・・・・」
ああもう!!イライラする!!どんな文句をぶつけても爽やかな笑顔でかわすコイツには何を言っても通用しない。くっそ、ドSめ!!
そんな光景を帝人が無表情で眺めていたなんて露知らず…。
「って、あれ?帝人くんじゃない。久しぶりだねえ。」
「どうも。」
「そういえば、隣のクラスだったっけ?」
「はい。そうですが何か」
やたら笑顔で帝人に絡むドS、もとい折原臨也。それをさらに上回る笑顔で対応する竜ヶ峰帝人。え、何あなたたち仲良かったっけ?
「もう冷たいなぁ。そういえば正臣くんとは幼馴染だっけ?」
「ええ、まあ」
「でも残念だよねー、せっかく一緒の高校に入ったのに違うクラスなんてさぁ」
「・・・」
お、っと?何か、雲行きが怪しくなってきているのは俺の気のせいですか。
いや、気のせいであってくれ!
「あ、そうそう昨日なんてね正臣くん体操着忘れてさ」
「ちょ、お前何故ソレを言う必要が!!?」
「・・・」
「仕方ないから俺の予備の体操着貸してあげたんだよ」
「・・・へぇ。」
「俺の体操着少し大きかったみたいでさぁ、ぶかぶかの体操着をきる正臣くん。可愛かったなぁ」
「ふーん、そうなんですか」
可愛いってお前…。
って照れている場合じゃなかった!!
あの、誰かこの禍々しいオーラどうにかしてくださいませんか。