■08

2009年4月5日(日)


全てのお店は回って見れたものの、何が良くて悪いのかがいまいちわからずに帰路へとついていた。
自分に出来ることをするべきなんだろうが、自分の出来ることというのがハッキリしない。最終的に悩むことになる。
とぼとぼと歩いていると、ふと視界に公園が入る。
ここも、なんだか見たことがある。

公園に立ち寄って、何となくブランコに座って小さく漕いでみる。
中学に上がってからはなかなか乗る機会がなかったせいか、少し視界が回りそうになる。
だが、頬を撫でる風が気持ち良くて、悩みが飛んでいくような気がして、暫くそのまま漕ぎ続けた。




「ただいまー……っと」

昨日一昨日の程ではないが、やはり外を歩き回ると疲れる。
手洗いうがいもそこそこに、私は部屋に崩れるように座り込んだ。
朝、机の上に置いたままだったバイト先を書き出した紙を別の場所に移した。
家賃などがどうなっているかはわからないが、まだ手元には余裕がありそう。貯めるのも大事だがまだ焦る時ではないと思った。
まだ入学式が終わったばかりだ。
明日からもまた学校がある。私ははばたき学園の一年生として授業を受けることになるのだ。
気を引き締めていなければ。




暗い部屋の布団の上で、睡魔から襲われかけてぼうっとしているまま、元の世界の、あおい空を思い出す。
世界は違っても、空の色や雲の形は変わらない。
カーテンの隙間から差し込む月の光が、少し眩しく感じた。










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