「ちあき」

俺は彼女の頬を両手で挟み込んだ。これから何をされるか予想が付いているのか…彼女の瞳は恐怖でゆらゆらと揺れていた。拒否すればその分だけキツくなる、彼女はわかっている。唾を一つ飲み込めば彼女は決心したように瞬きをして俺を見た。

彼女を連れて風呂場に行く。風呂場の扉を締めればそこはもう俺と彼女だけの空間。幸せだ、なんて思いながら彼女の頭を撫でると、小柄な動物のように目を細めて微笑む彼女、とても可愛らしい。手を止め彼女に口付けると毎回お決まりの台詞を発する。

「ほら、あーんして?」

大きく開けられた彼女の口に指を突っ込む。彼女の唾や涎でぬるぬるとした口内に指を滑らせる。彼女の口の端から垂れてくる涎に興奮した。俺が微笑めば彼女も釣られたように微笑む。彼女の口蓋垂を指でつつけば彼女は吐き気に襲われる。いつもの可愛らしい彼女からは想像も出来ないような下品な声にとてつもなく興奮する。苦しそうに目を伏せ肩で大きく息をする彼女はいつも以上に愛らしい。口蓋垂をつついたり喉の奥に指を突っ込んでみたりしていると、彼女は一つ大きな声を出して嘔吐し始める。俺の手にかかる彼女の嘔吐物はとても綺麗だ。

口の中に残る嘔吐物を嫌がるように咳をする彼女に口付ける。彼女の味がする。彼女を感じられる。とても幸せだ。胃液は普通酸っぱいのだが、彼女のものは自分のもの等と違う、とても甘い。味覚をおかしくしてしまうほど彼女は俺の脳内を満たしていた。

彼女から口を離すと、彼女は幸せそうに微笑む。我ながら出来た彼女だな、なんて思いながら俺は彼女の頭を撫で微笑んだ。





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