「やぎゅー」
「はい？」
「やーぎゅっ！」
「……何ですか、苗字さん」
「かわいいよね」
「は……？」
「やぎゅうって響きが、かわいくてすき！」
「は……そ、そうですか」
「うん、すき！」
「は、はぁ」
「すきだよー」
「あの……？」
「やぎゅーがすき」
「え……は、はぁ。それは、あの」
「ぎゅーってしていい？」
「……すみません、少々お伺いしたいのですが」
「はーい」
「その両手はなんですか」
「ぎゅーするための準備だよ？」
「……断る余地はあるのでしょうか」
「ないとおもいます！」
「えっ！ああちょっと！」
「ぎゅーっ！」
「離れ、たまえ……！」
「やーだよ！」
「やだじゃなくてっ」
「えへへ、やぎゅーだいすき！」
「っ！……どうしろって言うんですか、もう……！」
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