「やぎゅー!へるぷー!」
「どうしました?」
「目が、目がー」
「……なんですか。滅びの呪文は唱えていませんよ」
「目がかゆーい!」
「痒い?花粉症か何かですか?」
「さっき裏庭でねこちゃん触ったから」
「アレルギー、ですか」
「そうなの、動物だめなの……うう」
「はぁ……だめなのにどうして触ったんですか」
「かわいかったから!」
「……あなたは馬鹿ですか」
「ううー」
「まったく……ほら、どうぞ。専用のものではありませんが少しはよくなるでしょう」
「あ、目薬だめ!」
「だめ、とは?」
「目に入れるのこわい」
「あなたは小さな子どもですか」
「うー……じゃあやぎゅーがして?」
「はい?」
「だって自分じゃできないもん」
「はぁ……わかりました。では上を向いて」
「んっ」
「目を開けて」
「はっはい」
「いきますよ」
「ひあっ」
「あぁこら、目を瞑ってはいけません!」
「う、だってぇ……」
「……もうっ、仕方がないですね」
「う?」
「もう一度上を向いて」
「ん!」
「はい、あかんべー」
「べー……あっ」
「はい、おしまいです。どうぞ、ハンカチです」
「おおー!さすがやぎゅー!すごーい!」
「昔よく妹に同じことをしていましたので」
「なるほどー!あっ、ねえねえ」
「なんですか?」
「うえーん!こうするとやぎゅーに泣かされたみたいじゃない?」
「やめてください」

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