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召しませのボツ


茹だるような暑さの日が続くが、部活も休みなく続く。汗が流れて止まらないのはツラいが、汗を流す角名くんはかっこいいしただただ眼福だ。
「はぁ、今日も角名くんかっこいい……」
「お前は今日も暑苦しい奴やな……」
タオルで汗を拭きながら侑がこちらへやって来た。ドリンクボトルを手渡してやる。
「何よ、角名くんがかっこいいのは世界の理でしょうが」
「あかんみょうじの熱量で気温上がる」
水分補給をしている侑をじとりとした目で見る。
「そんな口きいていいんだ?」
「何やねん」
私はバインダーに挟んでおいた束になったものをぺらりと振った。
「?」
「プールの優待券」
「神様仏様みょうじ様」
「手のひら返し早過ぎない?」
そのプールの優待券は、親戚に貰ったものの、私は使う宛がないため、部員の誰かにあげてしまおうと思っていたものだ。枚数は5枚なので、双子と結、あと角名くんあたりで行けばいいんじゃないかな。はい、と優待券の束を侑に手渡す。
「みんなで行っておいでよ」
「え、みょうじ行かへんの?」
「………私、泳げないからあんまり…」
「そんなん教えてもろたらええやん」
角名に教えてもらうチャンスちゃうん、なんてこっそり耳打ちされる。侑は既にメンバーの予定を聞きに行っている。
角名くんの前で恥をさらすか、一緒に遊べるチャンスととるか……。私の中の天秤は簡単に角名くんの方へ傾いた。
かくして、プールに週末遊びに行くことが決まったのである。


*****


当日は現地集合ということで、待ち合わせ時間にプールへ着くと私が1番最後のようだった。あの侑すら遅れず来ている、珍しい。
「ごめん、お待たせしました」
「たるんどるでみょうじ」
「まだ時間前でしょうが」
「ほら騒いでないで行くよ」
優待券持ってるのはみょうじなんだから先入ってもらわないと困る、と言われてしまった。


*****


着替えを済ませて出入り口から少し離れたところでみんなを待つ。結構時間がかかっているのはまた何か双子がやらかしているのだろうか。スマホで時間を確認していると目の前に人の気配がしたので顔を上げた。
「なぁ、君一人?」
「はい?」
「俺ら今日女の子おらんで華がないねん。一緒に遊ばへん?」
みんながやっと出てきたのかと思ったら知らない大学生くらいの人達が声をかけてきた。これは俗に言うナンパというやつなのか。
「いや、その、友達と来てるんで」
「その友達も一緒でええよ」
圧、圧がすごい。こっちは全然良くないんですが。断っているのだが押しが強く、こっちの言い分を聞き入れてくれない。
「ほら、行こうや」
「ひぇ」
ついには腕を掴まれてしまった。ぞわりと悪寒が走る。ここまで強引で恥ずかしくないのか、なんて言ってる余裕もなくなってしまった。だ、誰か―――


「ちょっと」
「!」


私の腕を掴んでいた腕を止めたのは、角名くんだった。
「!、……角名くん!」
「これ、俺のツレなんで」
離してもらえます?とその鋭い眼光を飛ばす。声をかけてきた人達は、なんだ男連れかよ、と言いながらそそくさと去っていった。
「角名く〜ん…助かった…」
「遅くなって急いで出てきたらみょうじ変なのに絡まれてるし焦った…」
「ありがとう角名くん」










この辺からもう書けなくなってギブギブギブ!!!と試合終了のゴングが鳴ったのでペンを置きました
本当はこの後泳ぎの練習に付き合ってもらうネタとか日焼け跡のネタとか水着の話とかあったりなかったり…
……というわけで召しませプール回ボツでした









botu05(角名)