×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




※成人済み時空


彼女の家にお泊まりと聞いてまあ期待せんわけがないわけで。おまけに寝る前に見せたいものがあるなんて言われて寝室で待たされて期待は膨らむばかりやった。
「まだ?」
「もうちょっと待って!」
もうだいぶ待ちくたびれたで…なんて思っとると、扉がガラリと開いた。
「こないに待たせてなん………?、!?」
俺のなんやねんと言う言葉は続かへんかった。扉の奥から現れたなまえは赤ずきんの格好をしていた。
「見て見て!可愛いでしょ」
「それどないしたん」
「今年のハロウィンのイベントこれで行こうと思って」
なまえがくるりとその場で回ってみせるとふわりとスカートが翻った。レースやフリルがふんだんに使われとるその衣装はなまえによく似合っとる。 しかし待て。ハロウィンのイベント?聞いとらんで?
「えっ?イベントいつ?俺知らんけど」
「再来週だよ。でも侑遠征じゃん」
友達と行くから安心してね、とけらけら笑うなまえ。いや友達とやらが男でないならええわけちゃうし。
「どうどう?可愛い?」
「可愛ええ。いくら払えばええ?」
「金を出そうとするな」
俺の腰かけている横になまえも腰を下ろす。近くで見ると可愛さ倍増ちゃうかこれ。ますますイベント行かせるの心配になってきた。
「は〜…可愛ええな…全財産出せばええか?」
「プロ選手の全財産とか洒落にならなくて怖い」
しかしスカート短すぎひんか。こんなんちょっと階段登っただけで中見えるで。めちゃくちゃ心配でしかないけど、しかしこんだけ楽しそうななまえを行かさへんのは忍びないわけで。
「……まわりの人間は皆狼やと思うんやで」
「気をつけます」
「……あんま遅くならんようにしてや」
「はーい」
「……あと写真送ってくれ」
「侑、私のことめちゃくちゃ好きだね」
「ほっとけ」


当日送られてきた写真は遠征先で待ち受けになったし、遠征が終わった直後俺は今までで一番帰宅を急いだ。






三題噺でお題は『赤ずきん』『寝室』『全財産』でした
ラスト着地に失敗して足首をひねったためボツ
自分が狼になる選択肢のない拙宅の侑くん……




botu04(侑)