黄色の音



「よーっス。」







「おっ、笠松!
おせーぞー、主将。」







「げ、森山。
お前、もう酒入ってベロンベロンなのかよ。」







「久しぶ(り)っス、主将!」







「おー。
相変わらずラ行は苦手なんだな。」




これでやっていけてんのか?




ラ行が言えねぇって、絶対仕事に支障来たすだろ。




「よっ、笠松。」







「苗字と小堀だけだよ、常識的なのは。」




思わずそう言うと、きょとんとした表情をした。




「いや、何でもねぇ。
お前のそれは、カクテルか?」







「ビールはどうも好きになれなくてさ。」







「ふーん。」




下戸ではないのに、不思議なヤツだ。




「笠松は、どうする?
とりあえず、ビールいくか?」







「あー、じゃあ頼むわ。」




騒がしいが、このノリはやっぱり嫌いじゃない。
若干、物足りない気がするのは……。




「そーいや、黄瀬は?」







「仕事で海外だって。」







「今は、イギリスだとよ。」







「あっ、そうなんだ。
黄瀬とは、もう大学卒業してから一回も逢ってないなー。」







「オ(レ)もそんくらい逢ってないっス。」




海外かー。




そいや、今朝もなんかニュースで騒がれてたっけか。




「黄瀬も大成したよな。
高校の時から人気はすごかったが。」







「今度、ハリウッドの主演でしょ〜?
ほんと、ビックリしちゃった。」







「あのレトリバーがハリウッドか。
世界はあながち捨てたモンじゃねぇな。」







「森山には無理だからね。
ちゃんと堅実に生きなよ。」







「名前は、高校ん時から俺に厳しくね?」




段々と黄瀬の話題から離れてく。




苗字、森山、小堀、早川、俺。
それだけのメンバーが揃いながらも、やはり1人足りない。




  
 





「すんません!
今からでも、参加可能っスか!?」




「黄瀬!」




「へへへ。
久々なんで、我侭言って帰ってきちゃったっス。」




「さっきまで、黄瀬の噂してたんだよ。」




「マジっスか!?
てか、名前先輩綺麗になったっスね。」




一気に場の空気が変わった。




そうだ。
やっぱりコイツもいないと、“全員”じゃない。




end




ウタウタウ様提出。


2012/06/04.


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