作り造る 【1/2】
教室を見渡せば色んな人間が存在する
友達と笑いじゃれ合ってる人
ゲームをしてる人
早弁をしてる人
…そして、造り笑みを作り愛想を振りまいてる人
黄瀬涼太。
モデルか何か知らないけど
とりあえずムカつく。
「苗字サン」
ずいとすぐ目の前に現れた顔
ついさっきまで愛想を振りまいていた人間の造り笑顔が目の前に。
「ずっと俺のこと見てたけど、何か用?」
「アンタ、愛想笑い振りまいて何が楽しいわけ?」
「何のこと・「ムカつく」……」
黄瀬が固まった。
のも、一瞬
表情がみるみる強張り始める。
「ちょっと来て」
「は?」
「いいから」
強く掴まれた手首が痛い。
「…わかったから、手離して
加減してんのか知らないけど、痛い」
「あっ、ゴメ…」
「別にいい」
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