海辺の恋に 【5/7】
「りょーた!」
「なっ、なんス…。」
「海に行こう!」
言うか早いか。
俺の手を引いて走り出す名前っち。
てか、ちょっ……え?
「はい、ゴー!」
俺のチャリの籠に鞄を投げ入れて
後ろに座ると出た合図。
思わず漕ぎ出してしまう俺は
相当なものだと思う。
「何で急に海なんスかー?」
「だって、今年一回も行ってないしー。」
確かにそうだ。
IHがあったし、終わったらもうWCに向けての練習だった。
「だから、涼太と一緒に海に行きたいって思った。」
だから、オフの今日…。
「あっ、見えたっスよ?海。」
朱に染まる水平線来年は、優勝してね。
後ろからそう言う彼女の弱い声に
俺はただ頷いた。
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