海辺の恋に 【3/7】
「わーい、海だぁー!!」
「あっ、名前!」
わーいと子供みたいに歓声を上げて
サンダルを片方ずつ持って駆けて行く。
慌てて、それを追う。
「わっ。」
「っと。」
ギリギリで追いついてつんのめった名前の腰に手を回した。
その間約5秒。
やべぇ、天才かも。
「ありがとー、由孝。」
「いえいえ。
可愛いオヒメサマのためですから。」
「忙しいのに海にまで連れてきてくれて。」
「それくらい朝めし前だよ。」
久々にはしゃいでる名前もみれたし?
何一つ損してないじゃん?
「…って、名前!?」
急に波打ち際まで駆ける名前。
落ちかけの陽が彼女を照らす。
「大好き!」
波打ち際まで行くと俺の方を見て最高の笑顔で言う。
裸足で駆けるきみどこまでも裸足で駆けるきみ
走れなくなったら
今度は俺がきみを抱えて走ろうか。
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