紫陽花
「あれ、今日ランニングは?」
進路相談が長引いたせいで少し遅れて部活に合流。
普段ならまだランニングしてる時間なんだけど…。
「アホ。
流石にこの雨じゃあ中止だ。」
「あーなるほどねー。」
笠松の言葉を得て窓の外を見て納得。
「昨日くらいの雨なら出来るのにねー。」
「まぁな。
でも流石にこれだと…、」
「明日、風邪ひくバカが絶対いるね。」
「だろ。」
にしても、体育館めっちゃ蒸してる。
嫌な汗が背中を伝う。
「あっ。」
「なんだよ、名前。」
「紫陽花、咲いてるよ。」
ちょっと奥の方。
淡い桃色と蒼と紫の紫陽花が咲いていた。
「あれ、ちょっと貰って部室にでも飾ろうか。」
「少しはむさ苦しいのがとれそうだな。」
紫陽花← / →