キセキ+ボクin京都
「で、何でまた京都にしたの?」
「ちょっと洛山にいた時の貸しがあってね。
タダで泊めてくれるそうだから、安心していいよ。」
征君はわかってない。
その“貸し”が普通じゃないんじゃないかって冷や冷やしてるんだ。
大体、タダで泊めてくれるって一体何を……、
「紫穂?」
「何でもないです!
ごめんなさい。」
「わかればいいんだ。」
「すみません。
あの、両親に言ってないんですが……。」
あっ、ボクも言ってないや。
「それなら大丈夫だ。
全員の家に連絡して、許可は貰っているからね。」
「…準備がいいな、お前は。」
「真太郎は何を言ってるんだい?
それくらい、あたり前のことだ。」
……うん。
征君は征君だ。
3年も経ったけど、全く変わってないもん。
キセキ+ボクin京都「まぁ、このメンツで旅行ってあんまないし。
折角だから楽しもっか!」
「そうだね。
クラス違かったから、修学旅行はさつきと回れなかったし。」
「紫穂ちゃん。
夜は寝かせないからね!」
「望むトコだよ、さつき!」
「あっ、そろそろ京都駅に着くみたいっスよ!」
涼ちゃんの言葉と同時にアナウンスが入った。
よし、じゃあ遊び倒しますか!