シンフォニア






「・・・雨蒼。」




髪に触れる温かい手。




「征十郎・・・?」







「珍しいな。
お前がこんな時間まで寝てるなんて。」







「・・・うっさい。」




外はもう真っ暗だった。




良かった。




窓辺に近づく。




「・・・」







「どうした?」







「・・・まだ、いる。」




昼間とは違う人間だ。




「何がだ。」







「警察
昼間から、いた。」







「・・・バレたか。」







「その可能性は、充分にある。」




今まで、警察なんて2・3日に1・2回見ればいい方だったのに、




この安楽も崩れる。




「アダムとイブの世界みたいに。」







「・・・雨蒼、」




いつになく張り詰めた声だった。




「生きるか死ぬか、どちらがいい?」







交響曲




「征十郎がいるならどちらでも構わない。」




迷いも淀みもない




「そうか。
じゃあ、これから俺の言うとおりに行動してくれ。」




「それは大事なこと?」




「あぁ。
俺はまだ、雨蒼に死んでほしいとは思わないからな。」




「わかった。」




太陽は嫌いだけど




月は好きだ










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