ファンタジア
それは、ほんとたまたまだった。
夜に仕事を入れていて、その帰り。
赤司っちの家の近くをいつも通る。
そこまでは普通だった・・・のだが。
「あそこ、倉庫じゃなかったっスか・・・?」
隣の倉庫に電気がついていた。
「あれ、雨蒼っちに似てる・・・?」
窓に映りこんだ人影
「でも、まさか雨蒼っちがこんなとこにいるわけないっスよね〜。」
そうしたら、もう赤司っちが見つけてるだろうし。
昼間のこともあったから、
そう感じたのだろう。
「ほんと、どこ行っちゃったんスか・・・雨蒼っち・・・、」
そんな言葉は
夜の闇しか聞いていない。
答えなど返ってこない問い。
幻想曲そんな妄想を振り払うように
首を振って
家路へと急いだ