恋の駆け引きはお手の物
あれから辰也先輩のアタックらしきものはない。
(と、信じたい・・・。)
もちろん会えば普通に挨拶もするし
部活ではくだらない話もする。
けど、何か・・・。
物足りない?
今まで沢山話してたからか。
何となく
少し
少しだけ
寂しい。
・・・ような気がする。
「あ〜、わかんない!」
「何が?」
「ひゃぁああぁ!」
ピト、と冷たい感触が首に・・・、
「って、止めてください!」
「ごめんごめん。
で、今度は何がわからないの?」
「辰也先輩のことがです!」
「俺のことが頭から離れないんだ。」
自信満々。
きっと、それは今の辰也先輩の表情を言うんだ。
「なっ、なにを・・・!」
口角をあげ、不敵な笑みを浮かべる辰也先輩。
「春江遊飴さんが好きです。
良かったら俺と付き合ってください。」
恋の駆け引きはお手の物(あ〜あ、折角忠告してやったのに)
(モミアゴリラがまた五月蠅くなるアル)