happy days




「哀恋。」







「んー?」







「…良かった。」







「まーだ言ってるの?」




あの頃から変わらない柔らかい笑みを浮かべる彼女。




くるりと回った反動で髪が靡く。




「けど、その節は本当にお世話になりました。」







「ほんとだよ。
…けどあれは…、」




“俺が悪かったんだ”




その言葉は後に続かなかった。




「あれはどっちも悪くないよ。
悪いとしたら、お互いに……ね。」







「…そうだな。」




あの頃の…10年前の俺は本当に馬鹿だった。




自分が自棄になってたせいで大切な相手を失いかけて。
散々哀恋にも仲間にも迷惑を掛けまくって。




「あっ、宮地サンに哀恋センパイ!」







「おー、来たか。」







「お久しぶりです。
宮地さんに茨路さん。」







「アホじゃねーの?真ちゃん!
哀恋センパイはもう…「ご機嫌如何かな?宮地婦人。」
大坪サン!それ、俺のセリフっス!!」




あの時から10年も経ってる。




にも関わらず、変わらないテンションの元チームメイト達。




「うっせーよ、お前ら。」







「久しぶりー。」




10years later is …




変わらない友人達と後輩達。

変わったお前との関係。


「清志。」


そう言って笑ってくれるお前がいれば、それで。




あれから10年。
ほんとの幸せはすぐ近くにあるのだと知った。



end








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