10;00
「お前、ずっと…。」
「余計なお世話だ。」
「…無理だけはするなよ。」
「わぁーってる。」
今日は初日なんだ。
大坪も木村もそれをわかってるから
俺に対してそんなに強く言えない。
「哀恋…。」
丁度1週間前から眠りについた。
2週間前は普通に生活していた。
哀恋がちゃんとできる生活はたったの1週間しかない。
1週間経てば、それらはリセット。
いや、きっと奥底にはあるだろう。
でも、表に出てこられない。
2週間のループを、今日でぴったり7回。
こんな生活もちょうど4ヶ月目に入ることになる。
「宮地さん。」
緑間が俺に声をかけた。
「…あぁ、そろそろか、」
病室内の時計が10時を指す。
「…の、名前は、」
またいつものうわ言。
「哀恋。」
薄く瞳が開く。
10:007度目の今度こそ。