11;45






「ほら、声出して!」







「あの、哀恋先輩。」







「どうしたの?」







「キャプテンがもうすぐ休憩にするから、って。」







「もうお昼か…。
教えてくれてありがと。」




忙しい。




それこそ、目が回るような。と、いう表現が冗談じゃないくらいに。




体育館の温度も尋常じゃないくらい高いため汗も沢山掻く。




けど、楽しい。




最初こそ戸惑ったしわからなかったけど。





でも、時間が経つにつれて自分の中にストンと落ちて嵌るような…。




そんな感覚に襲われた。




「そろそろ、休憩!
午後練は、13時から始める。
遅れたヤツは、外周10周とするから気をつけろ。」




大坪の声に、ふっと空気が緩んだ。




「茨路先輩、大丈夫ですか?」







「緑間君こそ。
練習、お疲れ様。」







「おい、緑間ァ。
なぁに哀恋と話してんだよ。」







「抜け駆けはズルイぞ、真ちゃん!」







「うるさいのだよ!」




11;45

これが、私の失われてた一部なんだ。












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