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「ほら、声出して!」
「あの、哀恋先輩。」
「どうしたの?」
「キャプテンがもうすぐ休憩にするから、って。」
「もうお昼か…。
教えてくれてありがと。」
忙しい。
それこそ、目が回るような。と、いう表現が冗談じゃないくらいに。
体育館の温度も尋常じゃないくらい高いため汗も沢山掻く。
けど、楽しい。
最初こそ戸惑ったしわからなかったけど。
でも、時間が経つにつれて自分の中にストンと落ちて嵌るような…。
そんな感覚に襲われた。
「そろそろ、休憩!
午後練は、13時から始める。
遅れたヤツは、外周10周とするから気をつけろ。」
大坪の声に、ふっと空気が緩んだ。
「茨路先輩、大丈夫ですか?」
「緑間君こそ。
練習、お疲れ様。」
「おい、緑間ァ。
なぁに哀恋と話してんだよ。」
「抜け駆けはズルイぞ、真ちゃん!」
「うるさいのだよ!」
11;45これが、私の失われてた一部なんだ。