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「哀恋。」
「ん?」
「行ってらっしゃい。」
「…行ってきます。
ありがとう、お母さん。」
こんな親不孝な娘の我侭を聞いてくれて。
玄関を開ければ、広がるのは蒼空。
「哀恋は今日も出かけたのか。」
「部活へ行くそうよ。」
「アイツも幸せ者だな。」
「…そうね。
宮地君に申し訳ないわ。」
私達のためになんて言わない。
けれど、宮地君たちのために。
哀恋の記憶が戻れば…。
それで全て報われる。
あの娘も、彼も。
8:15
若い子達の幸せのために。
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