17;25
あの頃の俺は本当に馬鹿だった。
怪我のせいで1ヶ月バスケができず。
その間にベンチや2軍の奴らにレギュラーの座を奪われるのが恐くて。
勝手に荒れて、バスケも退部しようと考えていた。
けど、その理由も思いつかず。
退部のための理由にしようと思ったのが頭の良かった彼女。
哀恋と同じ大学を志望し、そこへ行くためという理由だった。
しかしそんなもの、彼女には全部見抜かれてて、
そんなことですれ違って。
それで…、
今でも思い浮かぶ。
あの鮮やかな紅。
スローモーションのように倒れていく哀恋。
何度も夢で魘された。
だから、お前は何も悪くない。
「俺が、悪いんだ…。
全部…全部、俺のせいなんだ。」
「…みゃーじは、私のこと好きだった?」
「だった?過去形なんかじゃねぇよ!
今でもずっと好きなんだよ、お前の事が!!」
だから、ずっと…例え1週間しか一緒にいれなくても。
ずっとずっと一緒にいて、1人になんかさせないって決めて。
「私ね、多分今でもみゃーじのこと好きなんだと思う。
きっと、そんな感情も忘れちゃってるから自信はないけど…。
でも、他の誰といる時よりもみゃーじといる時間の方が好きだって思ってるから。」
「哀恋…。」
「だから、謝らないで。
私は今のままで十分すぎるほど幸せだから。」
17:25だからね。貴方の涙なんか見たくないの。