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目を覚ますと、9時を回っていた。




少し、寝坊をしたみたいだ。




「あら、哀恋。
やっと起きたの?」







「…お母さん。」




どうしよう。




訊くべきか。




夢のことが事実かどうなのかを。




でも、




散々迷惑を掛けてるのにこれ以上…。




「哀恋。
言いたいことがあるなら言いなさい。」




静かな優しい声だった。




「え?」







「もう18年も貴女の母親をやってるんだもの
それくらいのこと、わかって当然でしょ?」




ふふふ、と笑みをこぼすお母さん。




「…ねぇ。
私が遭ったのってバスとの接触事故?」







「…そうよ。
幸い乗客の皆様にケガはなかったみたい。」




あぁ・・・。




「思い出したなら、哀恋?
貴女にはやらなくちゃいけないことがあるんじゃないの?」




シガラミに捕われてしまった彼へ。




「宮地君ね、哀恋さんをバスに乗せてもいいですか?
って、高尾君と一緒に家へ頭下げに来てくれたのよ。」




そんなの、教えてくれなかった。




「哀恋。貴女は幸せ者よ。
きっと世界で1番の。」




9:15

記憶がある今じゃないと出来ない事が。











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