第一印象は大切に






「倉科って、お前か?」




誰もいない放課後の教室に突然響いた声。




「ふぁい?
そうれふへど?」




もふもふと食べてたメロンパンをやっとのことで飲み込む。




で、えっと…。




目の前にいるこの人は確か…。




「あぁ!
赤い髪の赤司く…いだいだいいだい!」




何も言わず頭を鷲掴みにされた。




アレ?
ボク、初対面のはずだよね!?




「ふむ。」







「な、何かボクに用でしょうか…?」







「倉科。
バスケ部に「ない!無理!!断固拒否!!」…。」




あの巨人群に入れって?




無茶をおっしゃる!




それなら死んだ方がマシだ。




「ほー。
俺の誘いを断るとはね。」







「だって、君含めて赤に青に緑に紫に水色にマネの桃に加えて
黄色も入部したんでしょ?
あの中で僕が知ってる限りまともなのは桃と水色しかいない!」







「それが入部拒否の理由か?」







「え?あぁ、いや。
単純にボクは何かに縛られるのが嫌なだけだよ。
例えそれが青春の代名詞の1つに挙げられるであろう“バスケ部”でもね。」




残ってた最後の欠片を口に入れる。




うん、やっぱり美味しい。




「じゃあね。」




赤司君を残して教室を後にする。








第一印象は大切に




ぐわし




そんな音がしたのはきっと気のせいだ。




「気に入ったよ、倉科。
じゃあ、行こうか。」




ちょっとちょっと!!




「ボクはもう帰る…、」




「俺は別に正式な部員じゃなくても大いに結構だからね。
よろしく、“紫穂”。」




え…。




誰か、切実に助けてください!!











「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -