今度は独りでも





「何言うて…。」







「アンタ、前に言ってたよね?
相互依存だって。
確かに認める。


でも、私はもう独りでも歩けるから。
だから、翔一も私なしで独りで歩いて。


今までありがとう。

そして…さよなら。愛した人。」




似た者同士だったから。




だから、近すぎて。
いつの間にか見えなくなってた。




でも確かに私は…翔一。貴方を愛してた。




「紗枝さん!」







「若、松君・・。」







「泣いて…。」




頬に、冷たい感触。




「ごめっ…。
泣くつもりなんて、なかったのに…、」




次から次へと溢れて止まらない。




「…泣きたいだけ、泣けばいいじゃないっスか。」







「え。」







「俺は何も見なかったことにするんで。」




静かに引き寄せられた。




………っ、




「あぁあああぁぁっぁぁあっ。」







今度は独りでも




「振られたね。」




「希咲…。
お前が糸引いとったんか。」




「私はあの子の背中を押しただけ。
走り出したのはあの子自身の決断。」




全く。




ワシらしくないわ、ほんま。




「泣けば。」




「胸、貸してくれるん?」




「今日だけならいいよ。」




「アホ。」







end












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