抱えなくていい





「うそ、若松君…?」




信じられなかった。




信じたくなかった。




部活の先輩後輩の2人が
互いに冷たい視線を交わしていた。




ダメだ。




これ以上若松君を巻き込んじゃ。




「若松君を頼りすぎ「いーんじゃねーの?」…大輝君。」




いつの間にか背後に立っていた。




「頼っていーんだよ、紗枝サンは。
アンタは頼らなすぎなんだからよ。」







「え?」




意味がわからなかった。




でも、髪を掻き乱す大輝君に何も言えなかった。







抱えなくていい




「若松サン達なら体育館の方へ行ったぜ。」




「…!ありがとうっ。」




「紗枝サン」




「ん?」




「アンタはもう独りであの人と闘ってるんじゃねーんだ。

独りで全部抱え込めるほど、アンタは強くねーよ。」




独りじゃない…。




私は、弱いんだ。




だから、












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