非力さを感じた
「紗枝さん!」
「あれ、若松君?」
「その湿布…。」
「あぁ、これね。」
頬に貼られた湿布。
その上から手を当てる。
「情報早いなぁ〜、若松君。」
少し困ったように呟いた。
「…青峰が、教えてくれたす。」
それだけで、紗枝さんには通じたようで。
「そっか、大輝君か。」
“大輝君”?
「青峰と知り合いなんすか…?」
「知り合い、っていうか…従姉弟、なんだよね。
さっきも助けてもらっちゃったし。」
従姉弟って……マジかよ。
「さっきって…?」
「ちょっとね。」
何となくわかる。
きっと…。
非力さを知った主将が何を考えてるのかわからなく。
紗枝さんが本当に危ないときに助けられなくて。
自分は一体何ができてる?