迫る選択の刻は





「あんた、何様のつもり?」







「今吉先輩を振るなんて!!
ほんっと、信じられない。」







「振るも振らないも私の勝手。
今吉フリーになったんだから、アタックすればいいじゃない。
落ちるかもしれないでしょ?
本当にアイツを振り向かせたいなら私に構ってる暇、あるとは思えないけど。」







「私達はそんなことを言ってるんじゃないのよ!
今吉先輩と付き合ってたくせに、若松君と2股かけてたってどーいうことよ!!」




俺…?




まさか、そこで自分の名前が出てくるとは思っていなく。
思わず、出そうとしていた足が止まった。




「若松君、関係あるの?
私は彼に救われたけど、勝手な勘違いしないで。
別にそれで私がどう思われようと構わないけど、
若松君に不快な思いはさせんな。」




きっぱりとそれだけ言うと、踵を返した。




「あっ、先輩…、」







「姑息だよね。
自分のファン使ってくるなんて。
でも、アイツならやると思ってた。」




腹黒いもん。アイツ。




自嘲を含む笑み。




「でも、若松君をダシにするのは許せない。
というか、また助けてくれようとしてくれたね。」







「気づいてたんスか…。」







「うん。ありがとう。
…ごめんね、迷惑ばっか掛けちゃって。」







「迷惑なんて…、」




そんなことない。







迫る選択の刻




そんな言葉は届かない。




俺に出来るのは…。




もう、これ以上傷ついてほしくない。












「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -