夢の彼方
夢を見た。
それは私達がバラバラになる夢
正直言って恐かった。
その夢があまりにもリアルすぎて
本当に現実になってしまうんじゃないかって
「何ボーっとしてるんスか?彩歌っち」
ひょこっと目の前に顔を覗かせた涼太。
「ううん、何でも」
「・・・・・・何かあったんスか?」
・・・こういう時、涼太は異様に鋭い。
普段は人懐っこい大型犬の癖して
「・・・あのさ、もしもの話だよ?
・・・・・・もし、私達全員がいつか
バラバラになっちゃったらどうする?」
「・・・何があったのかは分からないっスけど・・・」
真剣に考えて言葉を紡ぎだす涼太。
「とりあえず、っスけど
俺はバラバラになってもバスケを辞めたりしないし
もちろん、彩歌っちや皆の事は
絶対に嫌いになったりしないっスよ」
「・・・そっか
だよね!」
パンと軽く自分の頬を叩いて立ち上がった。
丁度、大輝と瞳があった。
心臓がトクン・・・と鳴った
夢の彼方そう信じていたんだ。
皆は絶対バラバラになったりしないって。
だから、全然気づかなかったんだ。
もう既にリミットは近づいてることに・・・